第10話 報告

三浦の首を持って、僕は鎌倉に帰る。


「辻堂和音、ただいま到着いたしました、直義様。」


「大義であった。」


「あ、裏切り者、三浦時明を討ち取りました!」


「よくやった!あの荒くれをよく討ち取れたな。」


「辻堂家の重代秘剣のおかげですよ。」


辻堂家重代秘剣「伊弉諾」は、使い主が不利な時に恐ろしく軽くなり、さらに切れ味も上がる特殊武器だ。


だからこの秘剣は無駄に使わず、普段は別の剣を使っている。


その時、使者が


「急報!敵軍があと一刻でこの鎌倉にやってきます!」


と知らせた。流石に裏切ってくれた三浦を失っただけじゃ進軍は止まらないか...


直義公は落ち着いていて、


「もうすでに関東庇番の一族は逃がしている。最後は我らだけだ。」


と言った。流石に抜け目はないな。


「では私は残っている兵を集めて京に行きます。」


「わかった。淵延、いるか?例の件、任せたぞ。」


「はっ!」


「和音、これからも君の力は必要だ、くれぐれも死ぬなよ!」


「はっ!」

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