第4話 デスペラード
悪友から貰ったアレ。
どうしたもんかと思いながら、
一か月が経とうとしていた。
「くそっ!
ウジウジしやがって!
こんな事、今までの人生に比べてたら屁でもないだろよ、俺!」
俺は決めた。
探偵に探してもらうことを。
頼んでみたら、何だか気が軽くなって
俺はいつもの俺に戻ってた。
探偵ってのはすごいもんだな。
一カ月も経たないうちに連絡があった。
会社の近くのいきつけの喫茶店で探偵と
待ち合わせ。
「探偵はバーにいるじゃないな。喫茶店にいるだ。」
なんて独り言を言いながら、喫茶店に入ると
すでに探偵は奥のテーブルにいた。
俺はコーヒーを頼んだ。
探偵は話を切り出した。
「探しておられる方は、ご存命でした。
今は施設で暮らされています。
どうも、ご病気で倒れたあと、一人暮らしは
無理という事になり、役所が介入して
そういう事になられたようです。」
「、、、。」
俺はただ探偵の話す事を聞いていた。
探偵は支払い金を渡すと、分厚い封筒を
渡し去っていった。
俺は冷めたコーヒーを飲み干し、
「そうか、生きてたんだ。」無意識に呟いた。
さてと、この分厚い封筒の中を、読むんだな。
あの人のあれからがここに書いてあるんだな。
俺は中を確かめるのが怖くなった。
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