第4話第一の封印
両開きの門はどうやってあけるのだろうか?全力で押しても引いてもビクともしない
何か呪文的なもので開くのかな?うーんと考え込んでいると巫女様が門の横にある窪みに手を当てた 何か祝詞をあげている
暫くすると門の横にある潜り戸が開き始めた 開いた門に巫女様がヒョイと入って行くので 俺達も後を追う そこは薄暗く下に続く階段があった
俺が先頭を歩き ユカリに後ろを任せる
そこそこ長い時間降りてきて 広間に出た 階段の向かいに普通の大きさの扉があり
左右を篝火が照らしている 巫女様に目で合図して扉を押して開ける
中では風が吹き荒れていた 小さい竜巻があちこちで起こって
竜巻の中に人と小さな動物が見える
小さな動物が動く度に小さな竜巻が起こる それを抑えるように人が杖を向ける
「賢人様が攻撃されています!!」巫女様が叫ぶ
竜巻を潰すために反対向きの竜巻をいくつか作りぶつける それでほぼ竜巻は無くなった 風が止んだところで賢人に向かって走る
「大丈夫ですか?」俺が横に立ち聞くと フードを深く被った賢人が
「ああ ありがとう 助かったよ 君は誰だい?」
「俺は巫女様と封印の旅をしてる者です かなり封印が弱っているようですが 大丈夫ですか?」
「溢れた魔素で(かまいたち)が生まれ私を殺して完全に封印を解こうとしてる」
かまいたちは竜巻が消された事に気づき 再度竜巻を起こし始めた 俺も竜巻を起こし全て相殺させる
かまいたちの周りに竜巻が無くなった隙にユカリがかまいたちを切り刻む かまいたちは黒い霧となって霧散する
「今のうちに 封印を強化しておきましょう」
そう言って巫女様がシロの背中から祭具を降ろし 設営し始める
設営が終わると 祝詞を上げ舞を始める すると霞みたいに漂っていた黒いものが
封印の石に吸い込まれていく クリスタルのようなものに覆われ鈍く光っている
「あれを封印じゃなく 破壊してしまった方がいいんじゃないですか」疑問に思って賢人に聞くと
「破壊しても 自然に復活するからそうできないように封印の方が良いのです」
賢人の言葉に「そうなんですね」俺はなんとなく納得する
いきなり復活されても困るし そうであれば封印の状態の方が心構えが出来る
舞が終わりグッタリしている巫女様に肩を貸し賢人の所に連れてくる
「ああ 巫女様ありがあとうございます 危うい所でした」賢人がひれ伏して拝む
「いえ 巫女として当たり前の事です」肩で息をしながら言葉を返す
「次の賢人候補が来るまで死んでも守り抜きます」ひれ伏したまま賢人が言う
「次の賢人?」俺が聞くと
「何時 復活の兆しがあるか分からないから 賢人は代々受け継いでていくんですよ」
賢人が教えてくれるが そりゃそうか賢人も人だから寿命もあるし 今の賢人が死んだらそれまでとはいかないか しかし賢人も代々受け継がれていくのか結構大変だな
「封印を強化しておきましたので五百年は大丈夫でしょう」巫女様に言われ 安堵の表情をする賢人
「食事とか どうしてるんですか?」俺が聞くと
「先代の使徒のゲン様が魔法の道具を作って下さったのがあって 里の机に置けばここの机に送られてくるんだよ そろそろ時間だから 見て行くといい」
賢人が隅にある机を見ているとパッと光ったと思ったら机の上に食事が出てきた
転移装置とかかな?
「ご一緒に如何ですか?」賢人に言われるが 悪いので俺は空間収納からにぎり飯と干し肉を出して 巫女様にには果物を渡す それぞれで飯を終えた後この世界について改めて聞いてみる 巫女様が地面に絵を描いて説明してくれる
大陸はドーナツみたいに中央に湖?海?みたいなものがあってそれを囲むようにドーナツの本体?みたいに大陸がある そこは八つの国に別れそれぞれに封印の聖地がある そして湖の真中に一番大事な封印の島がある
ドーナツの中央の湖は先の使徒と魔神の戦いで出来たそうだ 最近は普通の魚が減り
水生の魔物が増えてきて漁も出来てない状態らしい これも封印の弱体化の影響だろうとの事だ
今日はここに一泊して 明日から第二の封印の土地に向かうことになった
翌日 あの秘密の階段を上り地上に出てきた 大きな門は次の賢人候補の為に作られた修練の入り口らしい 大きな門を開けれても中は魔物の蔓延る迷宮らしい そこを突破して最下層に辿り着いて初めて賢人候補の資格が与えられるそうだ ここでやっと現賢人の下に就き修練の様子を見て現賢人が決めるそうだ ただ必ず賢人になれるという事も無いらしい 難儀な事だ
鉈で灌木や邪魔な木の枝を切りながら街道を目指して歩いていく
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