この中にパンツ泥棒がいます

 この世界で暮らし始めて数日目のこと、ある問題が発覚した。


「俺のパンツめっちゃ変わってね?」


 ここに来てから貰ったパンツの柄が明らかに変わってることが何回かあったのだ。

 

 そんな俺の声を聞いた3人はピタリと足を止めた。


「みんな俺のパンツについてなんか知らない?」


 そう言うとギギギギッと音を立てながらぎこちない動きでこちらを向く3人がいた。


 そんな3人の姿を見て、心の中で「ああこいつら犯人だな」と確信した。


 どうやって炙り出してやろうかなんて考えながら、みんなを呼びリビングの椅子に座る。


「俺のパンツ柄がさよく変わってるんだよね」


 3人を問い詰めるように語りかけると、みんな無言になり気まずい時間が流れる。


 しばらく無言が続いたあとニーナが口を開く。


「ごめん...なさい...その我慢できなくて...」


 恐る恐るといった感じで少しずつ喋り出す。


「そうなんだ、でもよく言ってくれたね」


 思ったよりも重そうな雰囲気になってしまい、なんとか切り替えようと声色を変えてニーナに話す。


「どうしても欲しかったんだ?」


 その問いに対しニーナは無言でコクリと頷く。


「俺のこと好きすぎて欲しくなっちゃったんでしょ?」


 ニーナは顔を赤くしながらコクコク頷く。


 正直住ませて貰ってる身だしそれくらいいいと思っていたが、みんなも黙ってやっていると罪悪感もあるだろうしここでしっかりと話しておく。


「いいよ、盗っても。ニーナが俺のこと好きな気持ちは嬉しいし」


 その言葉を聞いたニーナは顔を上げ、決意をしたような顔でこちらを見る。


「ありがとう、カイトくん...」


「あのーカイト、俺も...」


「私もー...」


 許されることが分かったのか後から2人も自首してくるが勇気を出した1人目と後から安全にくるのとで同じにしたら行けない気がしたので、しっかりと説教をした。

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