第34話 悪役令嬢達の水着選び

ジークが来てから一ヶ月半くらいが立った。

ジークは皆とも無事仲良くなり、私達といるからか平民だと虐められる事も無かった。そして私、イリア、マイに詠唱及び魔力の応用について教えてくれるようになった。お陰様で今では色々な詠唱と応用ができるようになった。


「僕、一度皆さんと海に行きたいと思ってたんです。なので良かったらこの夏休み、一緒に行きませんか?」


夏休み目前の七月十九日。突然ジークがそう提案してきた。


「お、海か。いいじゃねぇか!俺は賛成だ!」

「確かにここ最近物凄く暑いですからね。私も賛成です」

「いいじゃん海!行こ行こ!」


という感じで三日後に海に行くことになった。が、現状私はこの世界の水着を持ち合わせていない。なので明日、女子メンで水着を買いに行こうという話になった。

そして翌日。私達は大きなショッピングモールに来ていた。……なんだろう、このすごい懐かしい感覚は。

以前紗蘭と二人で水着買いに来たことを思い出すなぁ。


「あ、ありました!水着コーナーです!」

「あ、ほんとだ。ていうか……思ってたよりも多い!」

「うーん……魅力的なのが多くて悩んでしまいますわね」

「ですね……どれもこれも良いものばかりです」

「あ……これ、いいかも」


私の目に入ったのは薔薇柄の水着。ありきたりな柄ではあるが、私の目にはとても美しく見えた。

あまり派手過ぎず、かと言ってビキニのように露出も多いわけではない。……よし、これだ!私はこれにしよう!


「よし決めた!私これにする!」

「ローズ決めるの早くない?それにすごい似合いそうだし……」

「だいじょぶだいじょぶ!リリーもすぐ見つかるって!」

「もしよかったらローズ様、水着探すの手伝ってくれませんか?」

「うん、全然いいよ!」


……それから五分くらいマイと一緒に色んな水着を見ていた。色々な柄がついてるものからシンプルなものまで見て、沢山悩んでいた。


「あ……これとかどう?マイに似合うと思うんだけど」

「これは……とっても可愛いです!って……これ、ローズ様の柄違いじゃないですか」

「あ、よく見たらほんとだ!」

「……では、私はこれにします!ありがとうございます、ローズ様!」


色々歩いてたら私の水着があった所に戻ってきてたみたいで、今度は紫陽花模様のものが目に入り、マイに薦めてみる。……事実物凄い似合うと思うし。


「あ!これいいじゃん!私これにしよっと!」

「これ、丁度いいですわ!では、私はこれにしますわ!」


私とマイが話してると、近くからイリアとリリーの声が聞こえてきた。どうやら、二人も無事に決められたみたいだ。


「みんな決まったみたいだね!それじゃあ、お会計しよっか!」

「うん!」


イリアもリリーも私達とは違ってビキニを選んだみたいだ。……絶対みんな似合うって。大丈夫かな、また倒れたりしないかな


「さ、とりあえず水着も買ったし!後はまたちょっと何か買ってこっか!」

「そうですわね!そういえば、また新しいヘアピンが入ったみたいですし!」


その後は、普通にヘアピン買ったりフードコートで「美味しぃ~~♡」したりして帰り、二日が経過して約束の日になった。

……あれ?確か私の記憶が正しければ海って何かデカいのいなかったっけ?

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