押忍!漢料理部!!
阿久刀壱心は百千万億生徒会長に情報を得てある場所へと足を運んでいた。
「なんで俺まで…」
阿久刀壱心と不死川命。
二人は共に移動している。
「まあ良いじゃないか、この機会に親交を深めたくてね」
「(この人と親交を深めるって、最終的に殺し合いになるんじゃないのか?)」
度々感じる殺意。
気を抜けば殺されてしまいそうだ。
だから、緊張感を持って歩く。
剣道部から模造刀を得た阿久刀壱心は、それを肩に担いで再び移動。
「…家庭科室?」
ある場所とは、家庭科室だった。
家庭科室の看板が掛けられた教室へ赴き、扉を開ける。
それと同時、部屋の中から響いてくるのは怒声だった。
「チャーハン百人前一丁ぉぉ!!」
「「「よいしょおおお!!」」」
「中華スープも完成ェい!!」
「「「よいしょおおお!!」」」
筋肉粒々のスキンヘッドの男たちがエプロンを着ながら料理を作っていた。
恐らくは中華料理だ。
現在、ガス等は使えないが、代わりに携帯用ガスを使用して料理を制作している。
彼らは料理研究部の部員の面々だ。
男女比率は脅威の9:1。
圧倒的に男子が多かった。
「(熱ッ、つか、密度が、厚ッ)」
男たちの気合の入った料理。
熱気が籠り、部屋中には男臭さが充満している。
別名、漢の料理部などとも呼ばれているこの教室。
「今日のごはんはチャーハンかな?」
家庭科室に入ると、男たちの視線が全て阿久刀壱心に向けられた。
「なんだテメェ!こっちは今料理中だァァ!去れやぁぁ!!」
怒声を阿久刀壱心に放つ。
彼は肩に担ぐ刀の柄を料理部部員に向けた。
彼なりの敵意はないと言う意思表明だが、彼の纏う雰囲気は、この料理部の熱量の非では無かった。
「
彼の言葉に反応する声があった。
暑苦しい男たちの中から出てくるのは一人の小さな少女だ。
「あの、阿久刀さん、なにか用、ですか?」
舌足らずな口調で彼女は現れる。
料理研究部部長・
背の低い、小学生の様な彼女は、この料理部の部長であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます