第4話 お城と
兵士は俺達に気がつくと、視線を向けた。
「おや、旅行者かい?」
「ええ。何やら暗いようですが」
「国王が、女王を崩御させたとの噂が絶えなくて、とうとう表に出てこなくなってな……」
「えっ!?」
驚いた。
何やら国王は怪しげな粉をまぶして女王に食べさせ、崩御させたとの噂が出回っており、それで城を厳重にしたということだ。
確かに、ちらりと見える砲台がそれを思わせる。
「でも、どうやって入るんだろう……」
「ああ、それについては……俺達が検査する」
「手で?」
「違う、魔法で」
何か魔法で金属探知機みたいな感じで調べ、それで大丈夫かどうかを詳しく調べるということだ。
光の線みたいなので調べるということで、調べてもらい、入場許可が出たので城の生き方を聞くことに。
「そこにあるゲートをくぐってくれ。あとは俺達の仕事ではない」
「ありがとうございます」
その後ゲートを潜ると城の中にでてきた。
なるほど、そういう仕様か。
でも城の雰囲気が悪いというか、ピリピリしている。
立ち止まっていると、何やら誰かが歩いてこっちに向かってきた。
「そこのお主」
「はっ、はい?」
「まさかワシが犯罪したところを見たのか?」
目が逆に点になった。
どういうことかわからないが、聞いたところ、粉をまぶして女王に食べさせたところ、泡を吹いて倒れ、そのまま亡くなられたと。
でも防犯カメラに残ってないか気になったので、見に行くと行って、案内してもらい、そこでの映像を確認してもらった。
すると、バッチリその犯行が写っていた。
どうするか考えたが、あの国王の厳しさのことだ、恐らく知っているはずだ。
そして反逆者として見ているはずだ。
データをもらい、こっそりしまっていると、振り向いて移動する。
しかし、どうしようか。
「どうだった?」
「………言いにくいのですが、お前、女王に粉まぶして命を奪ったな?」
無言になった。
「それに、この粉はなんだい?」
レンがもっているそれは、白い粉だ。
「な、なななななな……」
「……逃げるぞ」
その前に兵士によって囲まれてしまった。
ああ、終わった。
「その、陛下……?」
「うるさい!」
「陛下を捕らえよ!」
言うなり陛下と言われていた王様を捕まえるのにあっという間だった。
光の線みたいなのが国王を捉えたと思ったら、あっという間に捕縛してしまったのだ。
あっという間すぎてぽかんとしてしまった。
「失礼しました、旅人さん。どういう感じでした?」
映像を見せると、皆が驚いた。
「なるほど、これは決定的ですね」
コソコソと見ている人影に声を掛ける兵士、現れたのは女王なのだろうか、女性が現れた。
「なんと……元気になられましたか!」
「ええ……。数週間休んで申し訳ありません。毒見の身代わりさんが、危ないから私が犠牲になります、だからあなたは一旦隠れてください、とおっしゃったので、そうしていたのです」
「素晴らしいです、女王様」
「い、いえ……。まさか狙われていたなんて思いませんでした。しかも身近なところに」
俺も昔、とあるサービスに思ったこと書いていたら、いきなり犯罪予告されたことがあった。
狙われていたのは俺ではなく、別の人だったが。
レース会場に行ったのはその後だから、どうなったかはわからない。
「旅人さん。申し訳ありません」
「いえ、大丈夫です」
「その粉を渡してください」
言う通りに一人の兵士に渡すと、兵士が調べ、ぎょっとした。
「猛毒とハイになるやつが混ざってますね」
「つまり、助かっても脳がやられると」
「そういう事です」
「良かった。俺はあのやばい国王が持ってると噂してる石を探してるんですが」
見ていた女王がすっと石を俺に渡す。
いきなり光ったため女王が驚いてしまったが。
【まさか女王が持っていたとは驚いた。しかし、その御蔭で壊されずに済んだのも幸いだ】
「これで、魔城に行けるのか」
【うむ。しかし女王は行けないが】
「それはわかる」
【眩しいだろうし、弱めよう】
ということで光が弱くなってしまったが、まだ淡い光は放たれたままだ。
【城の外に出て、街の外に出よ】
「どうやって出るんだっけ」
考えた俺等に、女王が案内して、城の外に案内してくれた。
「旅人、ありがとうございました。あの元国王については、さばきますので」
威圧を感じた。
「さようなら、女王様」
「ええ、もしまた来られたらお願いします!」
その後女王と別れ、街から出てから、少し歩いていく。
と、ゲートを展開したのだろう、何やら不気味な色をしたゲートが見えた。
あそこで見た緑色のゲートとは違い、そのゲートは紫色だ。
そこを潜ろうとする。
【この先は我らのサポートは不可能だが、生きて戻ってくることを、願っている。オマエタチならできる】
「わかった。行こう」
けど、と思ったが、ドラゴンは行けない為、どこかに戻るようだったが。
その後ゲートを潜り、周りを見る。
そこは普通に魔界とは思えない光景が広がっている。
空が青いが、海らしき海はマグマのようだ。
建物は一個しか無い。
城が視界に入っている。
そこに歩いていく。
けれど、不安がある。
敵が多いため、物理で押せるかどうかだ。
今でさえ敵が多いけど、戦うしかなさそうだ。
「ムウニテル」
「レン、行こう!」
走って、城に向かう。
~ 続く ~
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