第4話 DAWN4
女性が知っているマップとは異なった構図を示していた。
「そして、その建築家は、アメリカの工科大学との繋がりがあります。」
「ということは、受信機もその場所に設置されている可能性が高い?」
「高いです。そして、アメリカと研究機関に繋がりを持っている彼も、その政策を知っています。極秘の研究所を地下とある一室に設置している可能性があります。」
さらに、男性は不思議なことを言い始める。
「しかし、どうやっても、その場所につくことができないのです……。」
「……なぜ?」
大きなため息をし、女性は腕を組み、右手の人差し指で、トントンと音を奏でる。それもそのはずである。先ほどから、都市伝説的な報告を受けているのだから。苛立ちを感じるのは当然だ。
「多額の費用を投資して、極秘に無外装海底ケーブルを作らせても、アメリカのスパイを見失い、さらにこんな都市伝説まがいの報告をされては……。」
「申し訳ございません……。」
「……。続きを。」
女性は、少し冷静になり、再び、男性の話すことに耳を傾ける。
「はい。アメリカの工科大学では、数年前から磁場の研究をされており、人間には、地磁気を感じ取る能力があると結論づけております。」
女性は、少し間を置いて、言葉を発した。
「逆に、その特殊な磁場を発することによって、方向感覚を失わせ、行こうとすると、再び出口らへんに戻ってきてしまう。そんなところかしら」
「おっしゃる通りです。そして、特殊な磁場のため、遠隔操作も付近で制御不能になってしまいます。機械でも人間でもそこにいくことが不可能になります。」
「すると、BMIの研究の組み合わせによって、脳の情報が抜き取られる可能性もあるってことかしら。」
「仰る通りです……。」
「迂闊に近づくことはできない……か……。」
女性は、暫く黙り込む。今までの話が本当だとしたら、日本でスパイ活動がしやすくなってしまうことになる。日本に、スパイが五万といるが、大半は支障がないものと考えていた女性は、Averyが日本に入ってくるとなると話は別である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます