第10話 なんかよく分からないキャラクターの手さげバッグ

小学生の低学年の頃、ランドセルの他にサブバッグ的な布のバッグも時々必要だったのですが、クラスメイトの子達が皆市販で売っているバッグを使用しているのに対し、私のバッグは母が手作りした見たことも無いキャラクターの布バッグでした。


裁縫をするのが好きで節約もしたかった母は「お母さんが作ってやる。」と自信満々で作ってくれたのですが、出来上がったバッグが見たことも無いキャラクターの柄だった事に私は強い衝撃を受けました。


私の想像では、よく見る人気キャラクターの柄の可愛いバッグを思い浮かべていたからです。


まさか見たことも無いよく分からないキャラクターの柄の布を使うなんて全く予想していなかった私は、出来上がったバッグを見て露骨にガッカリしてしまいました。


「○○の柄とかもっと可愛い柄が良かった…。」と言ってみましたが、もう出来上がってしまっているので仕方がありません。


そのよく分からないキャラクターの手さげバッグを使うしかないのです。


“手作りするだけでも市販の物より格段に安いはず。


ならば使用する布くらいは一番安い布でなくても、少し奮発してもっと可愛くて馴染みのあるキャラクターの布を使ってくれても良いのでは…?

”と私は思いました。


しかし、やはり私の母は可愛さ等は一切考えず、並んでいる布の中から一番安い布を買ってきたのでしょう。


見たことも無いキャラクターですので、恐らく売れ残りで叩き売りされていたのだと思います。


学校で私のバッグを見たクラスメイトに「それ何のキャラクター?」と聞かれたのは言うまでもありません…。

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