71話 これは何?精神汚染?頭が...が...がががっ!!!『精神汚染を無効化しました。』
4つ目の研究室の扉が開かれていく。
研究室の中は台座が中心に存在し、周りにはよく分からない機械のようなものがある。
「この機械のようなものは何なんだろう...?」
「さぁな、私にもわからんが動いてはいないようだぞ。」
「なるほど。動いていないなら、台座にオリジンキー差そうかな。」
そう言って僕はオリジンキーを台座に差しこむ。
そうすると、4回目の強化がインストールされる。
「さてと、今回の教科内容は何だろうな。」
「どれ、私にも見せろ。」
クゥトゥ様と一緒にオリジンキーのウィンドウを見る。
『オートバトルシステム』 『精神汚染無効』
オートバトルシステムと精神汚染無効?
これまでは、武器とか魔法とかだったけど、今回の強化内容はパッシブスキルよりだね。
それじゃあ、強化内容を詳しく見ていこうか。
■オートバトルシステムとは、その名の通り自動戦闘を可能にするシステムです。オートバトル中はメインシステムの演算した戦闘データを使用して戦います。そのため、殲滅戦や掃討戦では役立ちますが、ボス戦闘ではメインシステムの演算が追い付かないため使用することをおススメしません。
■精神汚染無効とは、精神に干渉してくる、全ての精神汚染を無効化します。なお、無効化するのは精神汚染のみであり、魅了などの精神に効果のあるものは無効化できません。あくまでも、SAN値を削るような精神汚染を無効化します。
ふむふむ、強化内容としては一番微妙だったけど、邪神との戦闘には精神汚染無効は役立ちそうだな。オートバトルの方は、5つ目の研究室に向かうときに使えそうだね。
「なぁ、アニマよ。精神汚染無効強すぎないか。私、アニマを洗脳できなくなっちゃったんだけど?!」
「どうして洗脳しようとしているのかな?!今、一番恐怖をクゥトゥ様から感じているよ。」
「それは......内緒だ!」
「なんで隠すんですか。」
「ぬふっふっ。」
「何ですかその暗黒微笑は...?」
「何でもないぞ...何でもないからな!」
「はぁそれじゃ...五つ目の研究室に向かいましょうか。」
「うむ、それで五つ目の研究室はどこにあるのだ?」
「えっと、オリジンキーに聞いてみましょう。」
僕の声を聞いた、オリジンキーは五つ目の研究室の場所の方角を指した。
一番北側の山。
その頂上に研究室があるらしい。
「えっ、海から山に行くの?!高低差が凄いなぁ。」
「山か、ふーむ見たところそうだな。アニマよ。油断するな。あそこはあの女のテリトリーだ。」
「というと、邪神がいるっていうことになるのかな。」
「いや少し違うな。あの女の眷属が支配している。あの女がいるのは、上だ。」
「上って、空にいるっていうこと?」
「ああそうだ、あの女はアニマのことを空中にある自分の神殿から見ているのだ。」
「それって、ずっと監視されてたってこと?」
「そういうことだ。」
まずいな。僕が邪神を倒そうとしていたことが最初からばれていたなんて。でも、なんで邪神は妨害してこなかったんだろう?
「なぜ、お前を排除しようとしなかったかと思っているだろう?それはアニマ。お前をいつでも指一つで消せるからだ。」
「......えっ。」
「しかし、面白いことにこの私と契約したことによって、お前を簡単に消すことはできなくなった。良かったなぁ!アニマ、私と契約できたことを感謝するのだぞ。」
「ありがとうございます?じゃなくって、衝撃の事実で頭がパンクしそうなんですけど!!!」
「難しく考えるんじゃない!!まったく。あの女は性根が腐っておるからな。お前を見て楽しんでいるのだろう。無様にあがく人間ほど面白いものはないからなぁ?」
『精神汚染を無効化しました。』
「なんか無効化したんですけど!何をしたんですか!」
「おっとついな。おいしそうな人間が隣にいるとな、すまないなアニマよ。」
「しっかりしてくださいね、クゥトゥ様。」
衝撃的な会話を終えて、僕たちは研究室から出て神殿のボス部屋に戻る。
ボス部屋にはディゴンさんはいなかった。
クゥトゥ様によると、眷属を集めに行ったんだろうと言っていた。
眷属集めて何をするんだろうか。
僕にはわからないな。
そうして、海底神殿を出るとクゥトゥ様が提案をしてくる。
「ふむ。アニマ。直ぐに陸に戻りたいだろう?」
「それはそうだね。早く元の世界に帰りたいし。」
「ならば、私に抱き着いておけ。」
「こうでいいですか?」
僕はクゥトゥ様に抱き着く。
「うむ!よいぞ!よいぞ!愛い娘のために一肌脱いでやるとしようか。」
そういった後、クゥトゥ様は背中の翼をはためかせると勢いよく水中を飛んだ。
何を言っているかわからないと思うけど、水中を飛んでいた。
イメージは超音速ミサイルだ。
それが地上に向かって飛んでいる。
ああ、なんかすごいことになっちゃったなぁ。
浸っているとクゥトゥ様と僕は鉛の海を脱出する。
僕たちは脱出した勢いで地面とキスするのであった。
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