64話 SF武器だと?!それじゃこっちはオーバーウェポンだ!!!


僕が平静を取り戻したのは、2時間後くらいだった。


それにしても、僕自身にこの人たちの願いが全て託されているんだと思う。


責任で押しつぶされてしまいそうになるけど、それでも僕はこの人たちの願いを叶えたい。


邪神、言われるまでもなく倒すつもりだったけど。


俄然、倒さなきゃならなくなった。


「よし!次の研究室に向かおう。」


僕は洞窟を出る。


そうして、南にもう一つある3つ目の研究室へと歩みを進める。


進めるが、そう簡単には通してくれないようで。


蛇人間のようなものがまるで待っていたかのように迎撃態勢を整えていた。


「嘘だろ?!」


蛇人間たちはその手に似つかわしくない、近未来的な武器を手にしていた。


それは僕に一斉に発射される。


僕の頬の横を一瞬何かが通り過ぎた。


それはきっと、レーザーだ。


「あっぶなぁ!!!」


危機一髪、少しでも横にずれていたら頭に風穴があいていた。


蛇人間怖すぎる。


僕はオリジンキーのエネルギーシールドを起動して、レーザーの嵐をやり過ごす。


爆発的なレーザーや、持続的なレーザー。


多種多様なSF武器の数々に目がちかちかする。


これ一体どうすればいいんだ?!


「あっ...そういえばあれがあるじゃん。」


僕はある機能がオリジンキーに追加されたのを思い出した。


そうそれは対邪神用兵器。


「ということで、バイバイだ。蛇人間。」


僕が取り出したるわ、マイクロミサイル。


オリジンキーを覆うようにそのマイクロミサイルの武装はくっついた。


すると、ロックオンのディスプレイが出てきて、300体の蛇人間をおおよそ5秒でロックオンしてしまった。


後はトリガーを引くだけで、大量のマイクロミサイルは解放される。


僕はそのトリガーを思いっきり引いた。


凄まじい機械音とジェット音。


白い線が無数に線を描く。


10秒後、聞こえてくるのはプッチっというかわいい音。


蛇人間たちを見てみれば、その肉体に少しの穴が開いていた。


えっ...この程度で死ぬのかと思ったが、死体を確認するとマイクロミサイルは皮膚を貫通した後、体内で爆発したようだった。


えぐい。


普通にえぐい。


というか、精度がやばすぎる。


全弾命中、全弾確殺。


僕の心の中で、この技術力でも勝てなかった邪神って一体どんな化け物なのだろう。


まだ見ぬ邪神にかなりの恐怖を覚える。


「うんうん...大丈夫だ。僕ならきっとやれる。」


そう言って自分自身を奮い立たせる。


邪神との戦いきっと、精神力勝負になる気がする。


こんなところで折れてちゃ、この人たちに申し訳が立たないね。


そうして、蛇人間の死屍累々を通り抜ける。







3つ目の研究室は、深い森の中にある様だった。


オリジンキーは深い森を指し示している。


「マジか...森くらいから嫌なんだけどな。」


そんなこといっても、研究室には行けないので覚悟を決めて研究室を目指し歩く。


その森に何が潜むのだろうか?



















「むぅ...?なんだ...この妙な気配は...」


黒くいや赤く、どちらとも言い難いそれは、体を少し起こして周りを見る。


「ぬぅ...どうやら...気のせいか...」


「いるはずのない人間の気配がした気がしたんだがな......」


糸のような艶やかな髪が寝具を這う。


それは小さい火を見透かしたように。


見逃すように。


吐息をこぼした。

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