あるDランク冒険者の日常
俺は、Dランク冒険者のジョン。
早速なんだが、ここはDランクダンジョンだ。
もちろん、モンスターの討伐依頼で来ている。
ちなみに、俺はソロでDランクまで上がってきた。
腕っぷしはそこそこあると自負している。
まぁ、Dランクに上がるまでどれだけの死闘を繰り広げたのかは聞かないでくれよ?
背中の傷がうずくからな。
それはそれとして、今回の討伐モンスターはレッサーヴァンパイアだ。
奴らはDランクモンスターの中では厄介な部類に入る。
奴らの怪力、吸血攻撃はDランク冒険者にはきつすぎるからだ。
くらったら間違いなく、腕の一本はいかれるだろうな。
ただ、だてに俺はソロじゃない。
あいつらへの対策はばっちりだ銀の弾丸に、十字架、聖水。
これで奴らはほぼ完封できる。
しかしだ。
このアイテムがどれも高いのなんの。
これで安全に討伐できるんだが、出費がひどい。
それでも、レッサーは経験値や稼ぎになり、果てにはCランクに上がるための貢献度にもつながる。
こいつを倒すに越したことはない。
それじゃ、レッサーヴァンパイア討伐しに行くとしますか。
そうして、俺はダンジョンを進んでいく。
進むと、ケイブバットどもが出迎えてくる。
が、俺にとってはもう雑魚だ。
ナイフで的確に切り裂いていく。
こいつらは俺がEランクだった時、むちゃくちゃ苦戦を強いられたが。
Dランクとなった今では、取るに足らない存在だ。
ただの素材にしか見えない。
レベル、様様だな。
さらに奥に進むと、ラージラットが出てくる。
こいつらはDランクモンスターの中では、弱い部類なんだが体力が割かし多い。
ちょいと手間取るな。
そうだ、あれを使うか。
俺は、懐からスクロールを取り出した。
「【ファイア・ボルト】」
すると、スクロールが燃え、火の矢がラージラットを射貫く。
その火の矢はラージラットを一撃でアイテムに変えた。
流石、魔法スクロール。
ラージラットどもを一瞬で蹴散らしちまったな。
魔法スクロールは、高いだろって顔してるな。
それが実はそうじゃないんだよな。
魔法スクロールは大量に量産されているから、時には鉄の矢よりも安いなんてことがある。
どうして大量生産されているのかは、学園授業や学生がポイントを稼ぐために作っているからだな。
そんなことで、俺ら冒険者はこうして安全に戦えるわけだ。
ホント、感謝感激だぜ。
さて、そろそろレッサーヴァンパイアが出てきそうだなっと。
そう思った矢先、暗闇から赤い閃光が強襲を仕掛けてくる。
「…くっそ!!!」
俺は、すぐに反応しその場から飛びのく。
地面には鉤爪の跡がくっきり残っていた。
おいおいどんな馬鹿力だよ。
しかし、こちらにはお前に対抗するためアイテムがある。
まず手始めに、十字架をレッサーヴァンパイアにかざす。
すると、その聖なる光に怯えだす。
その隙に、聖水をぶん投げる。
パリンッとガラスが割れ、聖水がレッサーヴァンパイアにかかる。
ジュウウウウッッ!!!っと肉が焼け焦げる音がする。
ヴぅアアアアアと喘ぐレッサーヴァンパイア。
おいおい苦しそうだな、今スグ楽にしてやるから動くんじゃァねぇぜ?
ホルスターから魔導リボルバーを抜き、レッサーヴァンパイアの眉間を狙い撃つ。
カチッ!ドンッ!!!
鋭い銃声がダンジョン内に響き渡る。
放たれ銀の弾丸は、高速で回転しレッサーヴァンパイアの眉間を打ち抜いた。
そして、眉間を打ち抜かれたレッサーヴァンパイアはさらさらと消え、アイテムになっていく。
ふぅ。
いくら準備したからと言っても、やはり怖いものは怖いな。
強襲されたときは、一瞬でも反応できなかったら俺は奴の食事になっていただろうしな。
はぁ~ほんとにこのスリルがどうして、こうも楽しいのか。
俺は、無意識に上がっている口角に気づき笑う。
ああ、俺も冒険者だな。
ドロップしたアイテムを拾い。
これで依頼は達成だ。
それ以上は望んではいけない。
そういう奴、破滅する。
そう冒険者マニュアルに書いてあるからだ。
この教訓は99%当たるのだ。
何せそういう奴らは冒険者マニュアルを読まないからな。
さてと帰るとするか。
そうして俺はダンジョンから帰還し、冒険者ギルドに移動した。
もちろん、討伐依頼の達成と素材の換金のためだ。
さて、これで俺の一日は終わりだ。
どうだろうか、ソロってのはこんな感じだ。
Dランク冒険者ってのは、結構なスリルと命の駆け引きが絶えないやばい奴らってわかったか?
冒険者に夢を見るのはいいが、夢ばかり追い続けるなよ。
そういう奴はたいてい、ゴブリンやウルフに食われちまうからな。
まぁせいぜい頑張れ、ビギナー冒険者たちよ。
記録 Dランク冒険者 ジョン
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