閑話 黄金姫の苦難


黄金姫は今、最大の苦難を迎える。


左を見る、そこには、氷のドレスを纏った幼女。


恐らくそれは、氷醒だった女。


今や、その姿はどこにもなく、ただただ愛くるしい人形のような少女がいた。


右を見る、そこには、黒色のロリータドレスを着る幼女。


恐らくそれも、黒色の怪物だった女。


それも今や、ゴッシク人形と変わりない。


黄金姫の頭は、この状況を理解しきれなかった。


どうして、爆弾を二つも抱えていかなければいけないのかと。


それは、もちろんアニマを守るためなのだが。


それでも、この状況はやっぱりおかしい。


幼女のお守りなど、黄金姫はしたことがない。


それはさらに、彼女を混乱させていた。


彼女が混乱している間、幼女たちは髪の毛を引っ張りあったり、はたきあったりとやんちゃすぎる行動している。


はたから見れば、猫のじゃれあいに思えるが。


元が超越者なので、そうとは思えないし、思えない。


黄金姫の頭はショート寸前である。


それでも、何とかしなければと自分を奮い立たせる。


そうしてとった手段は。


「今日から、私がお前たちのお母さんだ!」


自分でも何を言っているのか理解できていない。


こんなの正直、やりたくなどない。


しかし、この二人を放置したとき、何が起きるのか想像もしたくない。


よって、彼女は決めた。


幼女を二人を完璧にお世話すると。


彼女の苦難は続く。


目をきらめかせた幼女二人に見つめられながら。


黄金姫は今日も輝く。

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