俗世に舞い戻った賢き隠者の物語

うだつの上がらないダンジョン探索者が事故で人跡未踏の深部に落とされ、その数十年後に若い体のまま未知領域の知識を待って地上に帰還、と言う導入。

最初は人生リセット物かと思って読み始めたのですが、主人公ナガさんのキャラクター造形は、むしろ隠遁生活から俗世に帰って来た老賢者のそれでした。

ダンジョンと言う異物に慣れ、ある種の油断が蔓延してしまった時代の若者達を、年長者として守り導く大人であろうとする、主人公の不器用な善性に好感が持てます。

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