第4話

夕暮れ色に染まる馴染みの公園

気づけば私―――桜木恵は、如月公園に来ていた

どうしてここにいるのか、それは分からない

気づけば何故かここに来ていたのだから


「またお節介なあの子の仕業かな?……ってあの子ってなんだっけ?」


 口から出た言葉に首をかしげながらまあいいか考えるのをやめた

 それにしても目の前の景色はなんだか懐かしい

まるで、ここで忘れていた過去があったような、なかったようなそんな気が―――

「……っ!」

 その瞬間急な頭痛と私の知らない映像が流れ込んできた

 それは、私と姉が宗教団体に犯さたこと

 それは、私の醜態を暴露された

 それは、私が1度目に死ぬこと

 それは、私が彼に―――

「それ以上は、見なくていい」

 暗く重い男の言葉

 その言葉に、先程流れた映像が消えた

「見なくていい、忘れていい

 それは、起こらなかったことだからな」

 いつの間にか隣に座っている男はそう言った

 

「だからお前は、お前らしく幸せでいろよ」


 そう言った男は、不格好な笑顔を見せて私の背中を軽く押したのだ

 

 

 



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