第3話

あれからどれくらい時間が経っただろうか

私は、ただただ逃げた

行くあても目標もなくただ無我夢中に逃げ続けた

それは、まるで前世の情けない自分のようで

「お前は何も変われない」のだと言われているようで

その事実が私を苛立たせ私は逃げ続ける



けれど、それは終わりを告げる

急に手を掴まれたのだ

その手は、弱々しく今にも消えそうなのに

私の足は、何故か止まった



「あの子を助けて……」




 その手の主は、薄汚れた幼子のものであり

 転生した際に初めて会った少女であった


 ♣️



 俺は、唖然としながらもその少女に溜まっていたものをぶつけた

転生したこと

霊体で頑張って結局無駄だったこと

今まで感じた辛みや苦みのこと

その全てをぶつけ続けた


筋違いと知りながら

言ったところで解決しないと分かりながらも

それでも一方的に彼女にぶつけ続けた


彼女は泣きそうな表情を浮かべながらも黙って聞いてるだけだった



♣️


全てを吐き終えた俺に少女は、抱きしめた

赤子をあやす様にただただ優しく包み込んだ


俺は、なされるまま動けづ涙を流すことしか出来なかった



「大丈夫だよ……まだ間に合うから」



「まだ戦えるから」

 


「だから……だから諦めないで!」


その言葉と同時に記憶が流れ込んできた

 

 







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