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私はその底辺配信者とリアルで繋がっている者として、企画の作成やそれに伴うサムネイル作成、アホのメンタルケア、宣伝活動などを裏で手伝う立場にあった。1リスナーとしてだけでなく、彼の本音を内心めんどくせぇなと思いながらどうこうする立場に居たのだ。
イラストやコラージュ作成が最低限レベルに出来るという理由で、そういった活動に携わっていた。だがある日、彼の配信する部屋に訪れると、ブロックされた形跡があった。曰く、身内が配信に来ると空気壊れんだよ、とのことである。
そもそも、ファンアートなどの大半はリスナーの悪ふざけだった。だが私は時折に、彼から直々に依頼されて作成に及んでいたのだ。実際私自身が乗り気だったこともあり、それは無償での提供だった訳である。私の善意というと烏滸がましいか、だが、これまで彼本人が出来ない作業を請け負ってきた私が唐突に切り捨てられると言った状況に、どうしたら良いのかといった具合である。
思い返してみれば、趣味が合うだけで価値観は合わなかったのだろう。近所のショッピングモールに遊びに行こうぜ、となった際なんて、真っ先にゲームセンターへ向かいメダルゲームで全財産を溶かしていたような奴である。ある時はメダルゲームで友人に借金もしていた。頭おかしいんじゃねえのか。
無一文の奴を連れてどこで何を、といった具合で、ちょっとメシでも食おうぜとも言い出せない空気である。ちなみにコイツはそのあと、割とデカめの書店で週間少年ジャ○プを立ち読みしていた。
何故、今まで尽くしてやった私が唐突に蹴り落とさねばならないのか。公的な契約があったわけでもなく、ただの友人関係で仕事じみたことをしているとこういうトラブルに巻き込まれるぞという事だろうか。
(どう考えても関係ない)
こういった具合で、私の一年はカスのように浪費されてしまった。思い返して吟味すればするほど、しっかりと刻まれている楽しかった記憶なんてひとつもなかった。
とまあ、色々あったのだ。本当にくだらない話で申し訳ない。これで私の高校一年における出来事は以上となる。あくまで創作に関わる出来事にピックアップして記しているつもりだが、ここ数話は文句垂れ大会になってしまったのは本当に申し訳ない。
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