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私のカクヨム投稿における二作品目として解き放たれた『君は僕を認めてくれない』だが、作品の展開においてはかなりの苦悩を強いられたことを覚えている。
まず、なんといっても一応はラブコメである。正直人間ドラマとかそういう部類かなとは思いつつも、あくまでコメディだったのだ。
ある特定の層を批判しているわけではないという事だけはご理解の上、読み進めてほしい。
ラブコメを書くにあたって、一番苦労した事。それは間違いなく断言できる。
展開作り。これがあまりにも難しすぎる。
修学旅行、遊園地、文化祭、過去編。全部見たことある。何作も何作も、テンプレをなぞるように。大概大きなイベントとして消費される展開たちは、ストーリーにおいて重要な進展を生み出す場所となってくれることだろう。
当時どころか現在まで逆張りオタクを拗らせる私は、そのテンプレにどうしても抗いたかった。修学旅行はただの日常として消費し、文化祭で親睦と離別のキッカケを作り、遊園地であの展開を書いた。過去編に至っては、主人公である日向や御影すら出てこないという。今になって思うと、訳がわからない。
少なくとも私は、テンプレがウケるという周知の事実から目を逸らして、自分の道を走り続けた。何の経歴もなければ知識もない、カスみたいな逆張りが生んだ作品と言っても過言ではない。
だが、私は『君は僕を認めてくれない』の最終章に関しては、納得している。私が批判したいのは私の作品ではなく、当時の私である、
閑話休題。
日向が自分の性別に疑念を抱き、それを容認してくれる斗真と認めてくれない御影の二人の対比を描いた序盤。正直、御影の内に秘めた問題が明らかになっていない故に、キャラクターとして苦手な印象を読者の方に植え付けてしまったと感じている。
何の内面掘り下げも行わず、一話目で恋愛の形を成就させた理由は、はっきり言って覚えていない。
ぶっちゃけてしまえば、私はラブコメ自体があまり好きではない。故に、そちらのジャンルを娯楽として手に取る事は殆どないのだ。勉強不足も甚だしい。
ただ、大概はどちらか一方の片思い、或いは全くそう言った感情のない状態から始まるのではないだろうか。本作の一話における相関図は、逆張りが私を支配していた、という事にしておこうと思う。
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