小学二年生。漠然と、漫画家などと無謀な夢を志していた頃。小学校卒業までに描いた自由帳の数を自慢げに語り始めたのも、これが始まりだったと思う。

 

 あまりにもストーリーが支離滅裂な、というか、ストーリーなんて存在していないような。毎回、出てきた敵を倒すだけ。主人公とその仲間が合体して、新たな形態になったり、本編に出てこないキャラクターを大量に作って、満足していた。嬉しいことに、その活動に付き合ってくれる友は多かった。

 タイトルは「ドラゴン○○○」だった。一応覚えてるどころか現物を保存しているが、敢えて伏せさせてもらう。伏線とかではなく、ただ、その友に万が一これを読まれたら恥ずか死ぬからである。

 

 小学四年の頃。棒人間漫画に勤しんでいた私は、思いついたように「ドラゴン○○○」を引っ張り出して、唐突に最終回を描くことにした。

 主人公の宿敵、「シェルデン」が主人公の兄「アストラル」を操り、最終決戦に現れた。そんな感じだったと思う。

 

 そう。この二キャラは『霊魂転生』に登場している。更に、この二人の関係は小二の創作と全く同じものである。

 『霊魂転生』自体が、この私の処女作ともいえる謎漫画の焼き直しであったということなのだ。当然、当時は私の脳に異世界転生という単語など無かった。恐らく、当時読んでいた漫画の『おっぱいが好きな猫』や『パンドラの箱がカードを読み取ってくれるゲームのコミカライズ』の影響で、異世界が舞台だったのだろう。

 

 

 当時、ゲーム機の機能拡張やスマートフォン機器の発達などにより、YouTubeや検索機能が一般的に使われるようになった頃だった。私もその影響をモロに受けていた。イカになってインクを撃ちあうゲームで初めてオンライン対戦というものに触れ、世界の拡張をこの身を持って体験したことを覚えている。

 

 この世間の変化が、始まりだったような気がする。

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