ささくれの野望(KAC20244作品)

さんが(三可)

ささくれの野望

 オレは、ささくれ。人差し指に出来たばかりの、まだ小さなささくれ。


 人間の体の中で、最も嫌われているのが「ささくれ」という存在。オレは何もしていないのに、強引に引っ張られ、毟りとろうとされるとです。それに、失敗すれば逆ギレし、結局は切り取られて捨てられるとです。



 オレは、ささくれ。オレの主人は、オレにまだ気付いていないとです。


 勝手に親不孝の象徴とされたとです。主人の夜更かしや食生活が悪いのに、まるでオレが悪いことになってるとです。

 オレの近くにある爪の垢は評価されて、オレはそれ以下の存在になってしまったとです。



 オレは、ささくれ。そんなオレの存在を脅かすヤツが出てきたとです。


 製薬会社に取り入った「さかむけ」が、オレ達の存在を抹消しようとするとです。今や知名度も逆転し、このままでは時間の問題。


 完全にカースト底辺となったオレ達。しかし、一発逆転のチャンスが到来したとです。


 長くて苦しくて地道な裏工作。それだけではなく、お百度参りだってしたし、好きな酒だって飲んでいないない。パワースポット巡りだってしたし、ミサンガもつけたとです。


 オレを産み出した原因は、カクヨムという小説投稿サイト。毎晩、睡眠時間を削り、ジャンクフードを貪った結果、誕生したのがオレ。


 しかし、ささくれネットワークを駆使して、ついに見つけたとです。カクヨム運営の指の、ささくれを!


 そして、毎晩毎晩カクヨム運営の枕元で「ささくれ」と囁かせ続けた結果、、カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2024のお題が「ささくれ」になったとです。


 まさか、ささくれに煽動されてお題を決めたとは、夢にも思わないはず。さあ皆で、オレ達を称える800文字以上の文章を投稿するのだ!


 んっ、いつもと主人の行動が違う。もしかして、主人も、ささくれを称える文章を書いているのか?

 でも、何時も指の動きが違う。軽やかに動かず、じっと固まったまま。そして、視線を感じのは、気のせいではないとです。


 ピッ!

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