第13話 お手伝い

 お手伝い、することはありますか?


 子供の頃した料理のお手伝いといえば、さやえんどうの筋とり、そら豆をさやから出す、あとはいろいろこねたり、混ぜたり、包んだり…。


 自分でやった方が早いし、汚れないし、上手くできるはず。手を出したくなるところをグッと我慢して、見守って…。育てるということは、大変なことですよね。

 普通に包丁を持って、ガスの火をつけて調理するようになったのは、何歳いつ頃なのか、よく覚えていません。

 

 小さい頃のお手伝いは遊びの延長で、母と一緒に狭い台所で手を動かすのは、楽しかったです。


 それがいつしか「家にいるのなら、家の事を手伝いなさい」と言われるようになり、(今、やろうと思ったのに!)と、頭ごなしに押し付けられると、やる気が失せるのはいずこも同じですね(苦笑)。

 私には5歳下の弟がおりますが、TVの前に座っている彼を横目で見ながら、(何故、私だけ?同じようにやらせればいいのに)と思っていました。


 小さい子供のお手伝いは微笑ましいものですが、大人の「お手伝い」は微妙に難しい部分がありますね。


 「何か手伝うことがあるならやるけど」

 そう言われたら、どう感じますか?

 

 私は…「お手伝い感覚」なら、要らないかな。


 「大変そうだから、助けてあげよう」という気持ちはありがたく思いつつ、同時に「それは本来、けど、やってあげてもいいよ」という気持ちが透けて見える気がして。

 自分でやった方が早い、と思ってしまいます。これでは人は育たないのですが。


 求めているのは、他人事ではなくて、一緒に当事者になって欲しいということ、なのです。


 相手への関心と感謝を忘れず、ほんの少しだけ想像力を働かせて、今、必要なこと、できること。自分で考えて動ける人になりたいです。


 そして、笑顔で「ありがとう。助かる」と言える余裕のある人でありたいです。





 

 

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