設定資料②『国外追放』
【国外追放】
国外に追放するからといって、わざわざ隣接する余所の国まで護送して国境の向こう側へ放り出すようなことはしない。
余所の国からしたらはた迷惑な話でしかないから。
自国に犯罪者を放り込まれるとか、国際問題になりかねない。
この時代の国々は大体において都市国家的な意味合いの強い統治方法を採用しているため、各都市の領主は自分が任されている都市や領地だけを管理することに専念している。
別の言い方をすれば、領地外で何か起こったとしても我関せずということだ。
それは王家直轄領にも言える。
王国の領地はかなり広く、未開拓領域も多い。
そんな場所すべてに目を光らせるなんてことは不可能である。
何か問題が起こって初めて、そこに官僚や兵が派遣されて賊などが鎮圧される。
なので、王家にとっても王家直轄の管理都市以外は他国みたいなものだし、そこら中に魔獣が生息している今の世の中では、『都市の外に放逐される=国外追放』と同義である。
なお、そういった仕組みがあるから、追放された人間に待っているのは野垂れ死にか、魔獣に喰い殺されるか、もしくは無事生き延びたとしても、王家の目の届かない場所で野盗化するしかない。
そういう意味では追放などというまだるっこしいことなどせず、その場で処刑してしまった方が賊化しないから世界の平和のためである。
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