マカイジャーファイト
ムネミツ
マカイジャーファイト
「きゃ~~っ! 私のネイルにささくれが~~っ!」
絹を裂くような女性の叫び。
「え~~ん、指が痛いよ~っ!」
指から血を流し痛みに泣く幼い子供。
「痛っ! 嘘、突然顔にささくれが!」
通りを歩いていた、サラリーマンの男性の顔にもささくれができる。
平和な昼下がりの商店街に突如発生した、原因不明の集団ささくれ現象。
怪奇な事件はクライム悪魔の仕業だ!
「ヒ~ッヒッヒ♪ 人間が傷付き泣き叫ぶ声は気持ちいいねえ~♪」
商店街にあるビルの屋上から地上を見下ろして笑う影。
黒いローブを纏った灰色の肌の魔女の老婆。
その顔や手はささくれで傷付いて醜かった。
「そこまでだ、クライム悪魔ササクレー!」
悪しき魔女に轟く怒りの叫び。
空に浮かぶは、黒山羊を模した甲冑を全身に纏った悪魔の騎士デーモンナイトだ。
「げげ~っ! 人間に味方する混血王子かっ!」
デーモンナイトの登場に怯え、地上へと飛び降りるササクレー。
「逃がすと思った? 大間違いよ!」
地上に降り立ったササクレーを殴り飛ばしたのは、真紅のヒーロースーツを纏った戦隊レッド。
「マカイジャー、参上です! 人々の手当てを!」
ブルーが名乗り仲間達に指示を出す。
「街の皆様、マカイジャーがお助けに上がりやしたぜ♪」
時代がかった口調のイエローが手近な男性に緑色の傷薬を塗る。
「おおっ! 一瞬で傷が消えた! ありがとう、マカイジャー♪」
イエローに薬を塗られた男性が礼を言う。
「悪魔の傷を治療する特性の回復軟膏なのだ、お手当て開始なのだ!」
グリーンが自身が作った治療薬での治療を開始する。
「安全性などは保障済みです、日本政府からも特例の承認済みで合法です♪」
「ゴートランド王国軍の正式な救助活動であります♪」
シルバーとホワイトが合法と安全性を主張して人々を安心させつつ治療に当たる。
「国内でも伊賀の百地製薬が量産して来週から販売されますよ~♪」
「魔界の事件はマカイジャーにお任せです~♪」
ピンクとゴールドも手当てをしながら治療に当たる。
「お、おのれマカイジャーめ! 良くも私の邪魔を!」
ササクレーが恨み言を呟くが動けない。
「悪党の邪魔をするのはヒーローの務めですから♪」
空から現れたマカイオレンジが、光のロープでササクレーを縛り上げる。
「そう言う事、行くわよデーモンナイト♪」
「オッケー、レッド♪ デーモンガーデン展開♪」
デーモンナイトがレッドと自分とササクレーの三体を指定して地上に闇の穴を開いて引きずりこむ。
「こっ、ここはどこだってんだい!」
周囲が混沌とした闇の世界に連れ込まれたササクレー。
「決まっている、お前の処刑場だ!」
「覚悟しなさい!」
デーモンナイトが白く光り輝く七支刀を。
マカイレッドは炎が燃え盛る真紅の両手剣をササクレーに突き付ける。
「ええいっ! お前らもささくれだらけになっちまえ!」
ササクレーが両手を突き出して、呪詛の衝撃波を放つ。
だが、デーモンナイト達には効かなかった。
「魔力に抵抗がない一般人ならともかく」
「ヒーローに、そんなもんが効くわけないでしょ!」
「う、うそだ~っ! 私の術が効かないなんて!」
自分の力が無効化された事に絶望するササクレー。
「魔界の王子とヒーローをなめるな!」
「一気に決めるわよ、ナイト!」
「「ダブルスラッシュ!」」
デーモンナイトとマカイレッドの左右からの剣戟で、ササクレーは滅ぼされた。
二人が現実空間に戻ると、人々の治療は終わり事件は片付いた。
「よし、事件解決だね♪」
「そうね、みんなお疲れ様♪」
デーモンナイトとレッドがハイタッチ。
かくして、マカイジャー達の活躍により平和は取り戻されたのであった。
マカイジャーファイト・完。
マカイジャーファイト ムネミツ @yukinosita
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