お泊り 4

 驚いていると「本当にキス上手いよね」と素直に思ったことを言った。

「もう一回したい?」

「もう一回したい」

 すると今度は、あっという間のキスではなく、軽く触れるキスをしてきた。自分の鼓動が早くなり、胸のあたりがきゅっと布を糸で縛っているように締め付けられる感じがする。

「今ドキドキしてるの?」

「うん」

 そう言いながら自分の顔に熱が溜まっていくのを感じた。

「ハグしてもいい?」

「いいよ」

 急にとても甘えたい気分になった。彼女の胸元に頭を押し付けると彼女は初めてラブホテルに行った時のように頭を撫でてくれた。

「燈佳おっぱい好きなの?」

「え?」動揺する。

「おっぱいに顔つけるから、そうなのかなー?って」

「うん? うん。なんか安心する。包容感みたいのがあるのかも」

「ふーん。触ってみる?」

「え?」

「おっぱいって触りたいものなんでしょ?」

「え、いいよ。そんな」

「何で? 触りたいんでしょ?」

「いや、触りたいけど、いいよ」

「触ればいいじゃん。私たち付き合ってるんだし。大丈夫だよ」

 何が大丈夫なのかは分からないが、どうやら結愛は私の様子を見て楽しんでいるようだった。

 ほらと言って腕を広げるので、私は右手でそっと服の上から触ってみた。

 とても小さな胸だけれど、触ると確かに膨らみがある。自分の胸を触るのとは違って、好きな人の胸を触るのは緊張したし、背徳感があった。

 やってはいけないことをしている気分だ。

「柔らかい……」

「楽しい?」

「楽しい? くはないかな。ドキドキする」

 結愛は二の腕を触られているかのように振舞っている。いつもと変わらぬ笑顔で好奇心満々に私の様子を観察している。

 私は自分の左手も使う。

 もしも何も感じないなら、直に胸に触れていいだろうか?

「ねぇ、結愛」

「何?」

「直接触ってもいい?」

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