初めてのラブホテル 10
二人並んでベッドの上に寝っ転がり、再生したままだったアダルトビデオにまた視線を向ける。
ただ、防音の部屋の中に汚してもいいベッドと、そこから丁度いい角度で見えるアダルトビデオがあることを意識すると、私は快楽に任せ声を出してオナニーしたいと思い始めた。
折角ラブホテルに来たのだし、好きなだけ性的なことができるのだから堪能したい。
結愛に「寒い。いいじゃん」と言われて二人で抱き合うようにして寝そべり始めてから、その欲求は強くなった。
彼女の前なら、してもいいだろうか?
アセクシャルの彼女なら、私が隣でオナニーをしても何とも思わないだろう。きっと下痢になってしまってトイレに籠った友人に対して、何にも気づいてないような態度をとるのと同じようなものに違いない。
その上、正直あんまりにも純粋な彼女の反応に、私は彼女に好意を持っているような気がしてきていた。私は彼女のことが好きかもしれない。
「結愛」
「ん?」
「ちょっとムラムラしてきた」
「今? そうなの?」
「うん」
「え? 全然わかんないね。普通に見える」
「私、ちょっと一人でしたいんだけど、いいかな?」
「なにを?」
「ん?」
「なにするの?」
「え、オナニー」
「あぁ! いいよ」
そういって、彼女は私を見たままだ。
まだ会話が終わっていないと思っているのか、それともオナニー自体話しながら煙草を吸うのと同じようなものと思っているのか。
私はそのまま布団を被って股を広げた。すると結愛は始めるんだなと分かったようで、アダルトビデオに視線を戻す。
隣でオナニーしているのに、平気でアダルトビデオを見ている結愛を見て、客観的に見れば何とも奇怪な絵面だなと思った。
私はそのまま自分の陰部を弄り始める。気持ちいいけれど、隣にいる結愛に無視されるのは寂しい。肌の温度が恋しい。触られたい。見守られたい。
そうやって欲が沸騰するお湯のように急激に膨れてきて、私はつい自分のことを許してしまった。
「ねぇ、ハグしてくれない?」
「え? でも、オナニーって人に見られるの嫌じゃないの?」
「ううん。普通はそうだけど、頭撫でられると興奮する」
「ふーん。いいよ」
結愛がそう言うと今度はじっと見つめてきた。それがあんまりにも正直で純粋だったので、私は少し気圧される。急に気持ちよかったのが、冷めてしまって、陰部が乾いてしまったけれど、今更やっぱりやめますと言うのも嫌で、結愛の視線を無視して集中する。
そうすると、だんだんと緊張が解けてきて、今度は何だか甘えたくなってきた。
目を瞑って浅く息をし、気持ちいいところを弄った。
その様子を結愛は、右手を私の胸の下あたりにおいて見ていた。まるで母親が子供を寝かしつけようとしているようだ。それでもじっと私の顔を見ている。
徐々に気持ちよさが増してきて、息を何度も止めて達しようとした。そのまま私は顔を結愛の胸に寄せて達した。
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