初めてのラブホテル 9
暫くはこうして、私が見たいアダルトビデオを探し出すまで、いくつも早送りし、挿入シーンで再生ボタンを押した。そうしてどのアダルトビデオを見るか決めた。
私が良さそうだと思ったビデオを見つけて、そのまま流し続けていた時だった。
「挿れてる所ならエッチな気持ちになるの?」
「うん? たぶん?」
「へー、私ムラムラとかわからないから。ムラムラするってどんな感じなの?」
「んー、エッチなことがしたくて我慢できなくなる。下半身に熱が籠るような感じかな。何か、イかなきゃ治まらないみたいな」
「ふーん。痒いのと同じような感じ?」
「いや、それとは全然違う」
「そっか。イくってどんな感じなの?」
「え? イく? 難しいな」逡巡したけれど何と例えればいいのか、よくわからなかった。
「神経が集まるのが分かる感じかな。電気じゃないけど、なんか一気に感覚が収縮するような。すごく気持ちいいってなる」
「んー、でもマッサージとかの気持ちいいとは違うんでしょ?」
「違うね」
結愛は「そうなんだ」と言ってまた困ったように思いに耽る。私は、説明しろと言われて上手くできないことに気づき、改めて性的快楽の不思議さを実感していた。
そして結愛の感覚に驚愕もしていた。
痒みと悶々とすることが同じなのではないかという発想。私にとって、それらは全く違うものだったけれど、確かに共通点はあるな、なるほどと一人納得していた。
私の釈然としない返答に、それでも彼女は満足してくれたみたいだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます