第17話 山本五十六暗殺事件

年は明け1944年。大日本帝国はガダルカナル島の戦い、南太平洋沖海戦、日中戦争、オーストラリア沖大海戦など連戦連勝だった。

そして……

ついに軍は3月8日ロサンゼルスに上陸。アメリカでの戦いが始まった。


「ここがロサンゼルスか。花の街が今や瓦礫の街だな」


山本五十六はロサンゼルスに降り立ち、そんな言葉を発する。数々の爆撃により、あたり一面が瓦礫の山になっていた。


コツ


足元に何かぶつかり、視線を向けるとそこには一枚の紙と共に模型が落ちていた。


ダァン


その模型に気を取られしゃがんだ時だった。1発の銃声と共に胸に激しい痛みが走ったのは。


ダァン


撃たれた。誰に?そう思う間も無く足に鋭い痛みが走る。前を向くとそこには1人の日本兵が立っていた。その日本兵は山本が信頼していた1人だった。


「お前だったのか……アメリカのスパイというのは……」

「スパイがいることにあなたは気づいていたのですか?」

「ああ。南雲から忠告を受けててな。それでも騒動が起きることを心配して何もしなかったのだが……裏目に出たな。こっちの方が大きな騒動か」

「そんなことよりも、です。あなたが手に取ろうとした模型。それは……原子爆弾の模型ですよ」


山本は目を大きく見開いた。しかし、もう言葉を発することはできない。


《頼む……有利な状況のうちに講和してくれ》


それを願いながら、山本はあの世へと旅立ったのだった。


翌日。海軍に大きな衝撃が走った。それもそうだ。海軍元帥が暗殺されたのだから。

これにより海軍の指揮権は南雲忠一に移行され、軍務の指揮を行うことになる。

あまりにも大きな海軍元帥の死という出来事に対し、あまりにもスムーズに権利が移行したため、軍部の中では南雲が元帥となるために山本を暗殺したという説が流れた。


「そうか……五十六が死んだか」


杉山元(久々の登場)は月に向かってそんなことを呟いた


「久々の登場は余計だろ!陸軍の出番がなかっただけだ!」


ナレーションに突っ込まないでください。

それに山下将軍はあちらこちらで出てますよ。


「ぐぬぬ……」


じゃあ話進めますね。


「なんか腹が立つな……」


中国の制圧を完了させ、今からアメリカ戦線に本格的に参加しようとした矢先のことであり、陸軍としては出鼻を挫かれるようなものだった。


そして海軍には悪いことが重なる。史実でも日本に大きな被害を及ぼしたあのB29の運用がこの時期から開始されたのだ。


次回、空での戦い

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