占い組合
Grisly
占い組合
俺は仕事帰り、ふらっと占いに立ち寄った。
的中率100%、テレビでも有名なところだ。
あまり信じるタイプでは無いが、
人生に一度は経験するのも良いだろう。
中に入ると、
お婆さんが水晶玉を覗き込んでいた。
「これは大変だ。死相が出ている
このままでは1ヶ月後
あなたは確実に死ぬ。」
「軽い気持ちで、
ふらっと立ち寄っただけなのに、
それは困る。
なんとかする方法は無いのですか。」
「うーん、私は未来を見る専門なのでね。
それをなんとかする方法は知らない。
どうしてもというなら、
腕の良い祈祷師を紹介しますよ。
確実に運命を変えられる男。」
背に腹は変えられない。
俺は高い金を払って、その男を訪ねた。
「よく来られましたね。
それでは始めますよ。」
小1時間ほど、
何やら怪しい液体を吹きかけられ、
怪しい呪文を唱えられたりして、
祈祷は終わった。
「終わりました。よく耐えられましたね。」
俺は、あることに気づいてしまった。
恐る恐るそれを聞いてみた。
「あなたの祈祷と、占い師の方の見た未来。
どちらが強いかで、私の未来は決まる。」
すると、祈祷師が答えた。
「そうですね。
私も自分の仕事には
自信と誇りを持っている。
占い師の方も同じでしょう。
どちらが強いかということになれば、
私達には分かりかねます。
どうしても、と言われるなら、
力のバランスを見極められる、仙人が…」
そこで俺はようやく気づいた。
こいつら、
組合でも作ってうまく回しているのでは
無いだろうか。
一つでも引っ掛かれば
他にいくつも行くことになる。
もっとも、
それは詐欺と責める事はできない。
世の中の大半のサービス等、
大抵こんな物なのだ。
仕方なく、俺は仙人の元を訪ねた。
これで終わるはずがない。
今度は誰が出てくるのだろう…
占い組合 Grisly @grisly
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