第249話 三日目

「いらっしゃい! 見てってくれよ。この焼きたてのパンを! どれも美味そうだろ?」

「今日みたいな暑い日こそ、熱いスープで汗をかかなきゃ! 今なら一杯で百マドカ、たったの銅貨一枚だよ!」

「王都に来たら、これを食わなきゃ意味がないぜ! 王都名物のアイスーンっ!! 冷たいスイーツで身体を涼むってなもんだ!」


 時刻は昼時。

 多くの人が行き交う通りに面して立ち並ぶ露店、そのなかでも飲食を扱う露店商たちの忙しさはピークである。それでもより多く少しでも稼ごうと、威勢よく声を張り上げて呼び込みをしていた。


「これ以上は近づかないほうがいい」


 初日からユウを尾行していたローレンスの男が、相方の肩を掴んで注意する。


「あ? なにビビってんだよ。

 今までだって子爵やら伯爵やらの貴族から商人に冒険者まで、山ほどの数を尾行してきたじゃねえか。そんなかに俺たちの尾行に気づいた奴がいたか? 気づくどころか警戒する素振りすらされたことねえだろ」

「いいから俺の言うことを聞けって」

「初日に数百人が殺られたって聞いたけどよ。ポンテだけでなんだかんだでうちの連中が三百人はいるんだぞ。たった一人で、そんなに殺せるかって話だろ? 大体、そんなに強えなら途中でヤバイって気づいて、うちの連中も逃げるだろうが。

 なあ、お前は初日からあのガ――ちっ。あのクソガキ、わざわざあんな狭え店に入りやがって。金なら持ってるだろうが、それか高級宿に泊まってんだから、そこで食えっての。

 おい、どうするよ。俺らも店に入るか? あのガキと繋がってる連中がいるかもしれねえしよ」

「ダメだっ!」


 尾行中にもかかわらず大きな声を出してしまった男は、ハッとすると相方の男に謝る。


「すまん。だが、店に入るのは反対だ。

 そんな顔するな。いつもなら客を装って店に入るところだが、今回は絶対にダメだ」

「さっきからおかしいぞ。なにが――うおっ。お前、その腕なんだよ」

 自分の肩を掴む男の腕を見ると鳥肌が立っていた。


「これか? あのガキを尾行し始めてから、ずっとこの状態なんだ。

 ああ、そうそう。お前がさっき言ってたポンテの件だけどな。見つかった死体の数は六十三人だ」


 「やっぱりな」と男は思った。

 それでも六十三人も殺されているとは、上の連中が常時見張れと言ったのも納得できる数であったと。


「クソッタレが六十三人も殺られて――待てよ。見つかったのは?」

「そうだ。見つかった死体が六十三人で、残りは行方不明だ。正確な数は俺にだってわからん。

 言っておくがな、最初は十人で尾行してたんだ。

 俺以外の九人がどうなったか知りたいか? 今のお前のように、自信満々で近づいた奴が……まず二人消えた。本当に消えたんだ。

 それでポンテの惨状を見て逃げたのかと思った別の奴らが、同じように近づいて、また消えたんだ。

 あっという間に気づけば俺を含めて残りは三人だ。ハ、ハハッ……。残りの二人も俺と同じように気づいたんだろうな。これは警告だって。うろちょろするのはいいが、あんまり調子に乗って近づくと殺すぞってな。

 最初から、あのガキは気づいてやがったんだ!! 残りの二人はどうなったと思う? ああ……思い出したくもない。交代の時間になって起きた俺の、俺のっ……横に、あいつらの、く、くび、がっ」

「お、おいっ。落ち着けって」


 宥めようとする男の手が振り払われる。


「あのサトウってガキが泊まってる宿の従業員だって脅しかけて、逐一報告するように言ってるんだ。それなのに、それなのにっ! 女三人とバカでかい従魔二匹の行方すら、いまだにわからないんだぞ!

 俺だって尾行になら自信がある! いや、あったんだ……。だけど、今日で三日目になるってのに、クソっ! クソっ!! クソッタレがっ!! あのガキ、ワザと視線を合わせてくるんだ!! 見逃してやってるんだぞってな!! 俺がどんだけ神経をすり減らしてるか、お前にわかるか?

 良いことを教えてやろうか? 上の連中はおそらくこうなることがわかっていて、俺らに尾行させてる」

「そんな……バカなっ」


 初日からユウを尾行している男の言葉に相方の男は絶句し、店に入ろうなどとは、二度と言うことはなかった。

 そしてユウの入った店の出入り口を、かろうじて見える距離から見張るに留まるのであった。


「いらっしゃいませ。

 あいにくと、見てのとおりカウンター席が空いてなくて。悪いんですがテーブル席の、それも相席ならいけるんですが、それでも構いませんかね?」

「ああ、それでいいよ」


 狭い店内を従業員に案内されて、一番奥のテーブル席へユウは進んでいく。


「すいやせん。相席でお願いしやす」

「なんだよ。さあ今から飯を食おうかってときによ。

 まあ、狭い店だからな。仕方がねえか」

「へへ。あざす!

 今さらですが、衝立で隣のテーブルと仕切らせてもらいますね」

「ほんとに今さらだな!」

「うへへ。重ね重ねすいやせん」


 四人がけのテーブルを一人で使っていた男は、従業員の愛想笑いに小さなため息をつきながらも了承する。


「ボス、お久しぶりです。

 ここではマオスと名乗っています」


 従業員が衝立で仕切ると、男が居住まいを正してユウに頭を下げる。


「ボスって呼ぶな。エイナルから聞いてないのか?」

「これは失礼を。私は随分前から王都に潜入してたんで、その辺の事情には疎いんですよ。

 まずは、この店は従業員から客まで全員がアルコムの者なんで安心してください」

「調査の方はどうなってる?」

「はい。ボ――っと、サトウさんが派手に暴れてくれたおかげで、ローレンスもベルーン商会の連中も尻に火が着いたみたいに大慌てですよ」


 淡々と話しているつもりなのだろうが、マオスの言葉には端々で喜びが隠しきれずにいた。


「あっ。報告中にすみません。

 今でこそカマーに住んでいますが、昔は王都に暮らしていたんですよ。親は商人で、とは言っても小さな店なんですけどね。ベルーン商会に難癖つけられて、お決まりのローレンスが出てくるって、まあ王都でよくある話ですね」


 自嘲気味にマオスは笑った。まるで過去の自分を許せないように。


「話が逸れましたね。

 繰り返しになりますが、サトウさんのおかげでローレンスとベルーン商会に大きな動きがありました。

 今までわからなかった武器庫や表に出せない品を集めているアジトなどが続々と判明しています。

 ただ、当然ですがアジトの入り口は厳重に守られているうえに、お宝や金が集められている金庫の場所は、ローレンスの幹部ですらごく限られた一部の幹部しか知らないようです。

 噂では金庫番と呼ばれる数人しか把握していないようで、この金庫番が誰なのかを私たちのほうで探っていますが、いまだに手がかりすら掴めていません」


 申し訳ございませんと言いながら、マオスはコップに入った水で喉を潤す。


「サトウさんも知ってのとおり、ローレンスは王都だけで二十四の支部が、他の都市も合わせれば四十の支部があります。

 本部はさすがに守りが堅いので、支部から調べたいところなんですが、あまり動きすぎるとこちらの存在に気づかれるので――」

「じゃあ、残りは二十五か。あっ、ポンテの支部は潰したから、支部が二十三に本部入れて残りは二十四だな」

「ええ、王都には二十四の支部が――――は?」


 あまりにも荒唐無稽な話に、マオスの表情が間抜け面になる。


「心配すんな。

 本部と他の都市にある支部との定期連絡は月に一回。それも王都は大賢者が張っている結界のせいで、わざわざ外に出てからじゃないと通信の魔導具も伝書鳩すら使えない。次の定期連絡までには、すべてが終わってる」


 そんなことは心配していないとは、マオスは言えなかった。


「い、いつですか?」

「ん? 昨日と一昨日の夜にだよ。

 ちょっと働き過ぎだと思わないか?」


 王都から一番近くの都市でも馬車で三日はかかる。たった二日でローレンスの支部を、それも十六もの支部をどのようにして潰したのか。

 いくらユウがとんでもない強さだと知っているマオスでも、にわかには信じられないことであった。


「本当の話なんですよね?」

「なんで俺が嘘つくんだよ。

 ああ、ローレンスの支部があった都市にアルコムが進出するって話なら、勝手にやればいい」

「い、いえ。そういう話ではなく」

「言っとくけどな。俺が一人でやったんだから、あいつらが溜め込んでた金品は渡さないぞ」

「いやいや! それはもちろんですよ!! サトウさんの物を奪おうとする馬鹿は、アルコムうちにはいませんよ」


 大慌てで両手を振って、マオスは否定する。

 こんなことでユウの怒りを買おうものなら、アルコム所属の者たちからどんな叱責――ならまだいい。下手をすれば比喩ではなく首を刎ねられる。


「あと、お前が言ってた金庫番だけどな。俺が潰したローレンスの支部に何人かいたから。あとでお前らのアジトに送るから、好きに使えばいい」

「う、噂じゃなく本当にいたんですか……。ですが、そいつら裏切りませんか?」


 半ば探すのを諦めかけていた金庫番がいることがわかっただけでなく、すでにユウが確保していることに、マオスは驚きを通り越して唖然とする。


「そういえば、俺らはどんな拷問でも口を割らないとか言ってたな」

「ですよね。

 私たちみたいな組織の金庫番を任されるような者は、口を割らないのが第一条件ですからね。それがローレンスみたいな大組織ともなれば、拷問で口を割るような者はいないと思いますよ」

「そうなのか?

 今日の朝、トーチャーのところに見に行ったら、全員が是非とも協力させてくださいって、泣きながら言ってたぞ」


 トーチャーが誰のことかはわからないマオスであったが、ローレンスの金庫番が、わずか数日で協力的になるような拷問をする者だということだけは理解できた。


「心配しなくても三日後の夜にはすべて終わってる。

 お前らはアジトへの案内と金品を運ぶことだけ考えてればいい」


 その後、ユウとマオスは細かい打ち合わせをし、ユウは店をあとにする。


「おい、出てきたぞ」

「言わなくてもわか――いないぞっ」

「そんなバカなっ!? 確かに店から――」

「しつこい奴らだな」


 店を見張っていたローレンスの男たちの背後で、ユウが呟いた。


「い……いつの間に……」

「警告はしたよな? これ以上は殺すぞ」


 蛇に睨まれた蛙のように、男たちは身動き一つとれないでいた。そしてユウの気配が消えたあとも、しばらく男たちはその場に留まることしかできなかった。




 王都テンカッシで富裕層にもっとも人気がある場所といえば、誰もが第六地区ダラランテを挙げるだろう。

 なぜなら第六地区にはレーム大陸一のオークション会場サザティーズがあるのだ。

 もとは円形闘技場だったのだが、数百年ほど前のウードン王が血生臭い闘技場を毛嫌いし、取り壊しになるところをそれはもったいないとある文官が王に直訴したのが始まりである。

 空を見上げることができた円形闘技場の天井を半球形型の屋根で覆い、巨大なオークション会場へと改装したのだ。

 その大きさは隣の地区からでも見えるほどで、王都でも観光名所の一つにもなっている。

 ただし、平民では入場することすら叶わない。特権階級の者たちだけが利用できる施設である。


「サトウ様、お待ちしておりました」


 ユウに向かって立派な髭を蓄えた小太りの男、サザティーズの館長がうやうやしく一礼する。

 現在ユウがいるのは、サザティーズの中でも一般客が入ることの許されない宝物庫の二つ手前の部屋である。

 しかし、館長はユウを歓迎していると言うが、周囲は物々しい雰囲気であった。

 部屋には窓などは一切なく。周囲の壁や天井、床に至るまで、複数の金属に魔法や錬金術などを組み合わせた特別仕様である。

 この部屋にいるのは、高位の魔法を操る後衛職や手練の者たちである。


「このような対応をお許しください。物が物だけに、これでもまだ不十分ではないかと、私は考えています」

「前置きはいいから、出していいか?」


 その言葉に館長のみならず、周囲の者たちにまで緊張が走る。


「少々お待ちください」


 館長が深呼吸を何度か繰り返し、緊張をほぐす。


「サトウ様、お願いします」


 ユウがアイテムポーチから、館長たちが緊張する原因であるそれ・・を取り出す。

 ゆうに二メートルは超える白銀の角は、死してなお抗うかのように濃密で禍々しい魔力を放つ。

 そのあまりにも強大な魔力は、サザティーズで長年に渡って数々の曰くつきの物を結界で封じてきた結界師の者ですら、後退るほどである。

「なにをしているのです。

 早く結界で、この魔力の奔流を抑えなさい」


 館長の言葉に、結界師たちが一斉に結界を張り巡らすのだが。


「ぐっ……。なんて魔力だ!」

「落ち着け! 龍の角を扱うのは初めてじゃないだろうがっ! 雷龍や華龍の角を抑え込んだときのことを思い出せ!!」

「そ、そんなこと言われてもっ。こ……こんな莫大な魔力をどうしろって……ぐぎっ!!」


 多めに見積もって館長が用意した結界師たちであったが、それでも古龍の角から溢れ出る魔力を抑えきれずにいた。

 そして助けを求めるように、結界師たちが館長へ視線を送る。


「こ、これほどの物だったとはっ。

 サトウ様、どうやら私の考えが甘かったようです」

「それより『鑑定』を済ませなくていいのか?」

「あっ。あまりの逸品に忘れていました。

 いえ、こちらの古龍の角が『鑑定』するまでもなく。本物だということは、この場にいる誰もがわかっていますが――」

「いいから、早く『鑑定』してくれ」


 高レベル『鑑定』スキルや、それに類する固有スキルを持つ者たちが、安全な距離を保ちながら慎重に古龍の角を鑑定していく。


「館長、ま、間違いありませんっ。

 こ……古龍っ、伝説の古龍マグラナルスの角ですっ!」

「サトウ様から事前に知らされていたとはいえ、改めて伝説を前にすると年甲斐もなく興奮してしまいますな」

「か、館長っ! これ以上は我々の力ではっ」


 ユウが持ってきた古龍マグラナルスの角は、これでも一番小さな物で、さらにユウとラスによって幾重にも封印を施しているのだ。それでも抑えきれないとなると、どうしたものかとユウは館長を見るのだが。

「お恥ずかしい話ですが、仕舞っていただいてよろしいでしょうか。オークション当日までには、必ず人員を用意しておきますので」


 館長は上辺の言葉ではなく、心の底からそう思っていた。

 数百年続くサザティーズの歴史上でも、出品者から品を預かってくれと頼まれることはあっても、自分たちでは扱いきれないから預かれませんなどと、言ったことなどないからだ。


「わかった」


 古龍の角をユウがアイテムポーチへ仕舞うと、限界が近かった結界師たちは安堵するとともに、なぜあれほどの品を何事もなくアイテムポーチへ仕舞うことができたのか疑問に思う。


「時知らずのアイテムポーチが出品できないとお聞きしたときは、気が気じゃありませんでしたよ」


 無事に古龍マグラナルスの角を確認した館長は、ほっと胸を撫で下ろし、ハンカチで汗を拭う。


「これで代わりの古龍の角が出品できないとなっていれば、責任問題で私の首が刎ねられていましたからね」


 冗談で言っているのではない。

 今回サザティーズが開催するオークション最大の目玉が、時知らずのアイテムポーチであり、なにが出品されるかを伏せたまま他国にまで宣伝をしていたのだ。もっとも、それはユウも同じで、マゴなどの商人を使って情報を他国にまでワザと流していた。


「しかし、時知らずのアイテムポーチは、どなたかにお売りになられたのでしょうか?

 いえ、もちろん恨み言などではありませんよ。オークションでの落札価格や我がサザティーズに支払う手数料を加味したうえで、より魅力的な提示があれば売るのは当然のことですからね。

 それが時知らずのアイテムポーチともなれば、どれほどの金額になるのか。いやはや、長年サザティーズの館長を務める私でも想像がつきません」

「奪われたんだよ」

「う、奪われたっ!? 誰にですか? 犯人の心当たりはあるので?」


 サザティーズの館長は驚きのあまり、自分がハンカチを落としたことにすら気づかなかった。


「館長もよく知っている奴さ」

「わ、私が知っている……人物? まさか……」

「バリュー・ヴォルィ・ノクスだよ」


 自分が知っている人物と言われて、ある程度は予想がついていたのだろう。ユウがバリューの名を告げても、館長は驚くよりも落胆のほうが大きかった。


「それは……またなんとも……。ウードン王国の重鎮でありながら、嘆かわしいことです」

「俺が嘘をついていると思わないのか?」

「バリュー財務大臣はサザティーズオークションのお得意様ではありますが、自らの欲する物をどんな手を使ってでも手に入れる性分なのは、誰よりも私が知っています。

 なにかサトウ様のお力になれればいいのですが――」

「いや、そんなことをされても困る。

 それよりも俺が古龍の角をオークションに出品することを黙っていてほしい」

「それは当然でしょうね」


 時知らずのアイテムポーチが奪われたと聞いた館長は、ユウの要望を当然のことだと了承する。

 もし、これで古龍の角まで奪われるようなことがあっては、大問題であるからだ。

 なにしろ今回のオークションは年に一回しか行わない大規模なもので、ウードン王国中の貴族だけでなく、他国からも王族や貴族がすでに王都に押し寄せているのだ。

 そのオークションの目玉の品が奪われたので出品されませんでは済まされない。必ずオークションに出品してもらい。成功させなくてはいけないからだ。


「館長以外の奴らは大丈夫か」


 ユウが部屋を見渡し、館長が用意した者たちを一瞥する。


「ご安心ください。

 この者たちはオークション開催まで、サザティーズから出ることはできません。もちろん私もです。

 それに私どもは契約魔法で、出品者の情報を漏らすことは禁じられています。それも冒険者ギルドの受付嬢にかけられる契約魔法よりも高位のものです。万が一に契約内容を破った際は、命を落とすことになります」

「財務大臣の手が伸びる可能性は?」

「そちらもご安心ください。

 サザティーズは陛下直轄のオークション会場です。いかにバリュー財務大臣とはいえ、おいそれと手を出すことはできないでしょう」


 いくつかの確認を終えたユウは、オークションのルールが載っている冊子や案内などを受け取り、サザティーズをあとにする。

 すると、それを待ち構えていたかのように、ベンチに腰かけていた身なりの良い初老の男性が立ち上がり、ユウに近寄ってくる。すぐ後ろには、男性を護るように二人の男がつき従っていた。


「初めまして。

 私の名は、ウィリアム・ボナ・パパル。

 これでもパパル家の当主を務めさせてもらっている」


 初老の男性――ウィリアムはそう言うと、ユウに向かって手を差し出し握手を求めた。

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