☆第二十二話 G潜入!☆

 翌日の朝。

「うぅん…」

 いつものように、マコトの方が早く目が覚めて、隣を確かめる。

「…すぅ…すぅ…」

 静かで可愛い寝息を零しているユキの寝顔を見て、なんだか安心をしてから、ちょっとイタズラをしたくなって、声をかけた。

 真っ白なウサ耳へ脣を寄せて、優しく囁く。

「ユキ、朝だよ」

 甘えるようにマコトの肩へ縋っているユキの耳は、シャンプーと、ユキ自身の甘い薫りが、ふわふわと漂っていた。

「ぅうん…」

 囁きの吐息で耳を擽られた少女は、耳をピクピクっとうごめかしながら、まだ眠りの世界から覚める様子もなく、更にマコトへ甘えて縋り付いて、小さく安堵の吐息を零す。

「ふふ…」

 抱き付くユキの肌がすべすべで柔らかくて、プニプニで温かくて、もう一度このまま眠りたくなったり。

「…ホントに 起きなくちゃ」

 すぐ隣のお姫様な愛顔の、スベスベなホッペタをツンと突っ付きながら、もう一度、今度は瞼へと声をかけた。

「ユキ、朝だよ」

「…んん…マコト…」

 ボンヤリと目を覚ましたユキは、眠たそうな、とても安心をしきった無垢な笑顔で、返事をする。

 パートナーの寝顔と眠むた顔を楽しんだマコトは、ユックリと裸身を起こしながらペタん座りになって、力を入れつつ全身を伸ばした。

「んんん…」

 裸上体に掛けられていたタオルケットが、豊かな双乳の肌に沿って滑り落ちると、桃色の媚突が露わになる。

 両腕を頭上へ伸ばすと、柔らかい巨乳が縦に伸ばされながらも膨らみの高さを維持し続けて、細く引き締まった背中も官能的にくねられていた。

「ふ…。朝ご飯、何が食べたい?」

 パートナーへ向くと、気怠げに身を起こしている。

「んん…」

 両掌をついて身を起こしたユキの下向きなバストが、質量を増して、上半身の動きに合わせてフルフルと柔らかく揺れていた。

 先端の小さな桃色も、白い肌に引き立てられて、艶めいている。

「ぉはよぅござぃます マコト…んんん…」

 やや膝を開いた正座姿勢になったユキも、身体を伸ばして小さく震わせ、意識を目覚めさせていった。

 反らした細い背中を滑るタオルケットは、裸尻を隠す事なくベッドへ落ちて、白くて大きなお尻も剥き出しとなる。

 伸ばした両腕の動きに引っ張られる二つの巨乳が、前と上へ突き出されつつ、全身の力みに合わせて細かくプルルっと揺れていた。

「まずは、シャワー 浴びようか」

「はぃ…」

 まだ眠そうなユキの手を引いて、二人はヌードのままシャワーへ向かう。

 湯気でも曇らないクリアーな壁の向こうでは、温かい湯で裸身を流す、二人のケモ耳美少女捜査官の姿。

 耳も尻尾も湯を滴らせながら、媚顔や双乳やウエストや巨尻や清純溝から細い爪先までもが、タップリと洗われた。

 大きなバスタオルで全身を拭って、壁一面の鏡でメイクを済ませ、昨夜のうちにオート・ランドリーで洗濯を済ませておいた下着や衣服を纏い、準備は完了。

「ユキ 忘れ物はない?」

「はい♪ それでは マコト、朝食を戴きに参りましょう♪」

 二人は元気に、知らずのラブホテルをチェックアウトした。


 朝食は、アリヤ捜査官からデータで受け取っていた、オススメのレストランを選ぶ。

 データによると、二人が泊まったホテルの近くだけでも、十件ほどのオススメ料理店が標示されていた。

「アリヤ捜査官、マメな男性だよね」

「同感ですわ♪ ご紹介を下さったお店の種類も、全て違うお料理ですもの♪」

「宇宙船だけじゃなくって、レストラン・ヲタクでもあるのかな」

 昨夜の、ユキによる「いいこいいこ」のお陰か、今朝のマコトは、心に余裕があった。

「ここ、日本料理のお店だって」

 和食党なマコトは、少し歩いた通りの日本料理店が気になる。

 ビルの一階部分の店舗で、旧世紀のお寿司屋さんのような、質素だけど格式を感じる木製の看板が、崇高に興味を引いていた。

 しかし、任務とはいえ折角の銀河一周旅行でもあるので、やはり地球では食べられない料理を食べたくもある。

「マコト、あちらに ピーリンカ大衆食堂が ありますわ」

 車道の向かい側で営業をしている、一軒家の小さなお店だけど、なんとなく地元の愛され食堂のような佇まいで、それだけで料理の美味しさを想像させてきた。

 オススメ一覧にも、名前が載っている。

「…うん。あのお店にしようか」

「はい♪」

 青信号を確認してから、二人は小走りで食堂へ向かった。


 食後、二人で観光案内所を眺めたりウインドウショッピングを楽しんでいたら、アリヤ捜査官から連絡が入った。

「お疲れ様です♪ アリヤ捜査官」

 初めてと言えるヲタク同志の連絡を、ユキは楽しんだり。

『お疲れ様です。ご依頼の件 これからすぐに手配できますが、如何でしょうか?』

「了解をいたしました。これから、ご指示を戴いた店舗へと 向かいます」

 暗号の意味は、マコトたちからの依頼「セカンド・タカラブネ号の貨物室へ荷物を載せたい」に対して「準備が整った」という返答である。

 そして「ご指示を戴いた店舗」は、言葉通りの、待ち合わせ場所の喫茶店。

『では、後ほど。失礼いたします』

 通信を終えて、マコトと小さく頷き合って、二人は待ち合わせの場所へと歩いた。

「お疲れ様です!」

「「お疲れ様です」」

 ステーションとの往復バスの停留所とは全く違う方角にある小さな喫茶店「アリフォン・デン・デール」でアリヤ捜査官と再会をして、お茶を一口戴いてから、捜査官の車で配送会社へと辿り着く。

 運輸会社「クルクル・レータ」は、民間企業であり、アリヤ捜査官の取り仕切る個人交易会社「レッド・ハコブネ」とも、良好の関係だという。

「ヤ、社長♪」

 美少女二人を連れた、個人交易会社らしいラフな服装のアリヤ捜査官は、会社の倉庫で待ち合わせをしていた運輸会社の男性社長へ、親しく挨拶を送った。

 呼ばれて振り向いた社長さんは、中肉中背で丸顔も愛嬌のある、人の良さそうな中年男性である。

 肌の色はオレンジ色で、頭髪の無い惑星人らしい。

 アリヤ社長へ笑顔の小走りで近寄ると、挨拶をくれた。

「んぁん らんんまぁぁああ♪ よぉく来てくれましたんわぁぁああ♪ アリヤっ社っ長ぉぉおおんっ♪」

 社長さんは、なんだかヤケにクネクネしていると言うか。

 話しかける笑顔は明るくて人懐っこくて、両腕を伸ばして両掌を腰の前で合わせつつ、猫背みたいな姿勢で両掌を腿の間に挟んで、身じろぎ。

「「……」」

 初めて見た感じのクネクネ男性に、やや呆気にとられるマコトとユキに比して、親しいアリヤ捜査官は普通に対応をした。

「紹介します。地球本星の取引先の担当さんで、マーさんとユーさん。お二人、こちらは 私の会社の荷物を各航宙船へ運び入れてくれる、この運送会社の社長の、ウさん」

 突然の偽名自己紹介だけど、二人も、すぐに対応ができる。

「初めまして。マー・ライアンです」

「初めまして。ユー・ラ・シアンと申します」

「んまぁぁあ♪ んなぁんてお若くてお美しいお嬢様がたなんでっしょぉぉお♪ んまぁアタシったら、派遣される程の女性社員さんに向かってっ、お嬢様とか、失っ礼ぃしちゃってゴメンナサイねえぇ♪」

「いぇ」

 失態をホホホと笑うウ社長の愛嬌に、想わず二人も釣られそうになった。

「社長、今日は急な用件で、すみません。急遽で申し訳ありませんが、こちらの会社からの搬入物を、ちょっと確認する必要が出来まして…。お手数なのですが」

 アリヤ社長は申し訳な笑顔で、地球本星のお土産「ヒヨーコ」を差し出す。

 今回の件で、用意してくれたのだ。

「んっまぁああっ♪ ヒヨーコじゃあなぁぃいっんっ♪ アタシこの子、大あぃ好きなのよねえええっ♪」

 流石に、お菓子の箱を腿に挟む事はしなかったけれど、お菓子の箱を抱き占めて頬擦りしながら、膝同士は擦り合うように密着クネクネしていた。

 マーとユーの会社の商品は、既にアリヤ社長の小型コンテナへ乗せられているので、これからクルクル・レータ社を通じて、セカンド・タカラブネ号へと搬入をして貰う。

 申請する中身に関しては、もちろん偽装済みだ。

 なのでユキたちは、アリヤ捜査官がさり気なく外を見張ってくれる中で、G形捜査ドローンのマザーコンテナである、薄くて上から見ると長方形で縦の断面が薄い五角形な硬質シリコンの箱を、コンテナ内部へとセット。

「中身のチェック 完了いたしました♪」

「アリヤ社長、ウ社長、お手数をお掛けしてしまいました。ご協力、感謝をいたします」

 丁寧な礼を捧げると、ウ社長は、また嬉しそうで人懐っこい笑顔を見せる。

「んっまぁぁああ♪ お若いのにぃ、とっても出来たお二人じゃっあなぁぃいいんっ♪ お仕事もお済みでしたらぁっ、お茶ぁ♪ いたしませんん?」

 お土産のお菓子を嬉しそうに掲げながら、膝合わせとクネクネと更に頻繁な瞬きまでくれつ、ウ社長はお茶に誘ってくれた。

「有り難う御座います♪」

「御言葉に甘えまして♪」

 身分の偽りとか関係無く、二人はウ社長の明るさになんだか安心感を覚え、お茶のお誘いに喜んで招待をされた。


                    ~第二十二話 終わり~

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