☆第十五話 休日☆


 翌日は、第三班の全員が、二十四時間の休息日であった。

 マコトたち五人は、食堂で朝食を食べながら、今日の予定を話し合う。

「私たち~、フィットネス行くけど~、二人も一緒するツノ~?」

「良いですね。ぜひ お供をさせて下さい」

 マコトとユキも、捜査官として日常的に身体は鍛えているから、この大型旅客航宙船に運動設備があった事は、ラッキーだった。

「お姉さま方。私、モデル業の方々も やはり運動は欠かせないと、伺った事がありますけれど…♪」

 オシャレに明るいユキは、そのあたりの話を現役に聞いてみたいと想っていたからか、愛らしいワクワクフェイスで尋ねる。

「かちり。ソウネ。少ナクトモ私タチハ、体力造リハ 大切ダト想ッテルワ」

「ギョギョっ。体調管理も、モデルにとってはお仕事ですから」

「そうなのですか♪」

 どこの世界も、身体を張った仕事に体力は欠かせないらしい。

 食事を済ませた五人は、運動用にシャツとショートパンツという姿で、フィットネス施設へと向かった。

「ここだツノ~♪」

 食堂から少し歩いたブロックが、運動全般の施設であり、フィットネスや球技用の広い空間の他に、ユキが楽しみにしていたプールもある。

 フィットネス施設の自動ドアを潜ると、内部は、一般的なドーム型サッカーコート以上に、広い空間だ。

「わぁ…意外と色々 揃ってる」

 広い床面積には、ランニングや重量挙げや腹筋マシーンなど、様々な運動機器が幾つも並べられている。

 壁の一面が鏡で、宇宙の閉鎖空間である宇宙船という感覚を、少しでも和らげてくれていた。

 各種の機器で、身体を動かし汗を流しているコンパニオンや舞台演者、オーケストラの面々など、意外と利用されている印象である。

「かち。ソレジャア、私タチモ」

 お姉さまがたは、まずはマラソンで、汗を流すらしい。

「それではマコト、私たちも♪」

「うん」

 ユキとマコトは、ヨガやピラティスが出来る広い床で、柔軟から始めた。

 屈伸や上体反らしなどで身体を捻ると、大きなバストが突き出されて薄いシャツを中から押したり、大きなヒップがショートパンツを艶々丸々と張らせたり。

 二人だけでなく、殆どの女性は汗を流した後にプールを楽しむ為か、シャツとパンツだけで下着は着けていないっぽい。

「ユキ」

「はい♪」

 タップリと時間をかけた柔軟で汗ばむ頃に、二人で背中合わせになって腕を組み合い、パートナーを、交互に背中で持ち上げる。

 マコトがユキを持ち上げながら、リズミカルに身体を上下させて、自身に負荷をかけてゆく。

「は…は…は…っ!」

「ん…ん…ん…っ!」

 上下動に合わせて、下向きで質量の増したマコトの巨乳がタプタプっと揺れる。

 身体を反らして薄布を押し上げるユキ双乳も、上下に揺すられながら柔らかく楕円に弾んでいた。

 向かい合って座り、脚を伸ばして足裏を合わせて、お互いの掌を繋いで、身体を交互に後ろへ倒して引っ張ってもらう。

「ん~…」

「んんん…」

 引っ張られるマコトのお尻が、ショートパンツを張らせて薄生地を張り付かせ、交互に引かれるユキの巨尻も、薄い生地を伸ばしに伸ばして裸尻の丸さを際立たせていた。

「ふぅ」

「ほ…」

 身体を駆使して汗を流す、中性的な王子様みたいなマコトの美顔も、無垢で純粋なお姫様な如きユキの愛顔も、頬が上気して汗を散らし、美しく愛らしくセクシーな艶を魅せている。

 黒いネコ耳や純白のウサ耳、それぞれの巨尻で揺れるネコ尻尾やウサ尻尾も、汗光る美顔を引き立てるかのように、ピクんとうごめいた。

 それから二人も、ランニング・マシンや重量挙げなどで、全身を鍛えること数十分。

「はぁ、はぁ…」

「ふうぅ…♪」

 いつものメニューをこなした頃には、二人とも汗びっしょりで、身体も熱い。

 極薄いシャツもショートパンツも、汗をタップリと吸収して、艶肌へと張り付いていた。

 丸い巨乳の白い肌色を透けさせていて、先端の明るい桃色の媚突も浮いている。

 薄いお腹も縦長の臍を浮かせていて、大きなお尻には谷間へ張り付き、艶やかなヒップラインを透け肌色で魅せていた。

「ギョギョっ。二人とも、本格的に身体を鍛えてますね♪」

「はい。お姉さまたちも」

 三人組も運動を終えたらしく、やはり全身が汗だくになっている。

「かち。ソレジャア、汗ヲ流シテ ぷーる、行キマショウ♪」

「二人とも、水着 あるツノ~?」

「いいえ。ですので、プールで購入をするつもりです♪」

「あら~♪ それなら、私たちも 新しく買っちゃおうかしらツノ~♪」

 五人はシャワーで汗を流すと、その間にクリーニングを終えたシャツとショートパンツを纏って、プールへと向かった。


 コンパニオンやゲスト用のプール場もかなり広く、五十メートルのコースが十本と、飛び込み台も高さ違いで四種類あった。

 波打ち際もあるプールそのものも、平均的な体育館の床面積の五倍ほどはあり、天井も高く、室内の壁には常夏な孤島みたいな景色が映し出されていた。

「プールツノ~♪」

「すごいですね」

 休日のコンパニオンも多く遊んでいて、高飛び込みやコースの往復から、プールサイドで天井からの疑似日光浴を楽しんでいる人たちまで、それぞれに余暇を過ごしている。

「天井も、青空のような内装ですわ♪」

「かちゃ。マルデ 本当ノ空ミタイニ、遠クデ雲ガ流レテイルワ♪」

「ギョギョっ。気温も高いです♪」

 プール場だけど、環境映像や室内灯や高い気温など、まるで南国気分であった。

 五人は、みな水着姿。

 ツインホは赤いビキニを纏っていて、ヒモは細い方だろう。

 起伏も豊かなプロポーションを惜しげ無く披露していて、雰囲気も相まって官能的だ。

 リュグは、小柄な体躯に合わせた様なワンピースで、シックな色がよく似合っている。

 背中が大きく開いているあたり、セクシーポイントだ。

 ソフティもワンピースタイプだけど、お腹や背中が大胆に露出したタイプ。

 スレンダーだけど起伏ある金属生命体のボディーラインを、要所で魅せていた。

「マコちゃんもユキちゃんも~、着こなしてるツノね~♪」

「そ、そうですか?」

「うふふ♪」

 マコトは、ユキが選んだ水色のビキニを着用している。

 大きなバストが詰め込まれたトップは、丸い乳肌にビキニが張り付いて、更に弾力で張り詰めて食い込んでいた。

 細いウェストを過ぎると拡がる少女腰もパツんと張っていて、平均よりもやや少ないくらいの布面席が食い込んでいて、より小さくセクシーに見える。

 女性たちからの視線とはいえ、注目されると恥ずかしくて、黒いネコ耳やネコ尻尾がピクっとうごめいていた。

 ユキはライトグリーンのビキニタイプだけど、腰にパレオを巻いている。

 白い巨乳を押し込めるトップはフリルで飾られ、しかし中から生地そのものが押し上げられていて、可愛らしさとセクシーさが高レベルでマッチしていた。

 華奢な背中から豊かに拡がるお尻は、パレオで隠されているものの、純白のウサ尻尾がパレオを分けていて、ボトムの後ろを食い込ませる丸い艶尻肌を、むしろチラチラと魅せてしまっている。

 ファッション大好きなユキは、注目を浴びて恥ずかしそうに嬉しそうに、白いウサ耳とウサ尻尾をユラユラさせていた。

「ユキ、日焼け止め ある?」

 室内灯とはいえ、プール場の光は、夏のビーチの太陽光にも等しい。

「ギョギョっ。日焼け止め? 日焼けオイルじゃないんですか?」

「マコト。このお船のプールは ですね」

 夏の太陽の輝きを想わせる程な室内照明だけど、日焼けも火傷もしない、低温照明らしい。

「かち。ココノ気温ト湿度デ、気分ハ南ノ島ダケドネ♪ アナタタチ 有機生命体ガ肌ヲ焼クニハ、専用ノ日焼ケおいるガ必要ヨ♪」

 ソフティが指した販売コーナーには、浮き輪やイルカボートなどと一緒に「日焼け用オイル」と書かれた小さいボトルが並んでいた。

「本当に 日焼け用オイル…」

 オシャレやお化粧に疎いマコトは知らなかったけれど、室内照明と気温を利用して、綺麗に焼けるオイルである。

 プールサイドを見ると、友達同士でオイルを塗っている女性たちもいた。

「マコトは 塗りますか?」

 尋ねるユキは、マコトに塗りたい欲求を隠さない笑顔。

 ユキが塗りたいなら塗らせても良いけれど、今はバカンスではなく任務中であり、真面目なマコトは拒否する事を、ユキも解っての質問である。

「塗らないよ。ユキは?」

 塗って欲しいなら塗るよ。

 というマコト意志も、ユキは理解をしている。

「私には、日焼けは 似合いませんもの」

「そう? ボクは 日焼けしたユキも可愛いと想うけど」

「うふふ…♪」

 マコトはいつもナチュラルに、ユキの欲しい答えをくれたりするのだ。

「お姉さま方、塗りましょうか?」

「うぅ~ん、マコちゃんたちに塗って貰うのは、嬉しいけどツノ~♪」

「ギョギョっ。私たちは、色白で売ってますので」

 モデルとして、地の肌でアピールをしているらしい三人組だ。

「かちゃ。トニカク、マズハ 泳ギマショウヨ♪」

 五人は、熱い気温での冷たいプールを楽しんだ。


                    ~十五話 終わり~

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