☆第十話 入浴場で☆
マコトとユキが、勘違いをしていた事があった。
「どうりで、接客をする人数が 少ないと思いました」
コンパニオンは、朝担当や夜担当に別れての仕事だけど、そもそも朝や夜とは、船内の設定時間だけに使われる言葉では、ないらしい。
惑星上の海洋を航行する太古の船旅と違い、銀河一周のクルーズ船となると、時間設定はあくまで、旅の日程に対する目安でしかないのである。
船内の施設は基本的に二十四時間というか、次の寄港惑星ステーションまでフル稼働であり、乗客は自分の都合で、食事も遊興も楽しめた。
「つまり…朝の担当とは、健全な食事に関する全て。と捉えて 間違いないのですね?」
「そぅそぅツノ~♪」
現在、朝の担当を任されているマコトたち三班は、船内設定の二十四時間を、一チーム三十人強の、合計三チームで交代している。
①朝担当も夜担当も、トータルで八時間以上の労働と、十六時間弱の休息。
②それらをこなすと、次は完全な二十四時間休みになる。
各担当は、一日ごとに班がローテーションをしつつ朝と夜を接客し①と②をそれぞれ一日こなすと、次の二十四時間は丸一日、完全な休みとなるのだ。
現在の第三班では、二十四時間の最後の時間を担当しているメンバーが、受け持っている。
「では、私たち最初のメンバーは…本日のお仕事はこれで終了。という事でしょうか?」
「ギョギョっ、飲み込みが早いです~♪」
「かち。マァデモ、寝テ起キタラ、次ハ夜担当ダケドネ」
「なるほど…」
という情報を得ながら、一日の仕事を終えてトップレスのまま自室へ戻ると、お姉様がたのお誘いで、二人は大浴場へと向かった。
情報収集の意味でも、付いて行って損は無い。
「到ぉ着ぁくツノ~♪」
扉を潜ると、脱衣所にしてはとても広い、百人が着替えても余裕であろう程の空間であった。
壁には個人用の収納があり、着替えなどはこの空間へ収め、鍵はリングが対応。
既に、本日の仕事を終えた夜担当のコンパニオンたちも、一日の汗を流しに来ていた。
「かちり。ソレジャア、みータチモ 入リマショウ♪」
と、金属のお姉様が、威勢良く脱衣を始めた。
「…入ろうか」
「ですわ♪」
二人も脱衣というか、トップレスな衣装パーツを外してゆく。
白い首のタイを外すと、両腕に挟まれたマコトの巨乳が、むにゆり…と柔らかく形を変えて、ヒモショーツを下ろすと、ユキの丸い裸尻がフル…と弾んだ。
収納の中は、上下二段に分かれている。
「ギョギョっ。着替えは上で、脱いだ服は下へ入れて下さい」
二人も言われた通り、選んだ収納の上側へプライベート用の着替えを、下側へ仕事用の露出衣装を収めると、自動で洗濯が開始をされた。
収納の下側が、洗濯機になっているようだ。
「へぇ…」
「便利ですわね♪」
「まぁでもツノね~♪ このレベルの設備があるのって~、こういう銀河クルーズとか以上のレベルだけ~、なんだけどツノね~♪」
ヒドい職場だと「いわゆるタコ部屋&水場も浴室もトイレも洗濯もみんな一緒」なのだとか。
「そうなのですか…。お姉様がたの経験談は、とても勉強になります」
「本当ですわ♪ これからも、色々とご享受をお願い出来ますでしょうか?」
マコトたちの素直な感想に、お姉様がたは、誇らしげな笑顔をくれる。
「ぁらそぉおツノ~? うふふ♪」
二人とも、お世辞を言った訳では無く、心底からの感想であった。
捜査官としては色々な経験や知識があるけれど、それは主に、鉄火場としての乱闘経験が主である二人。
潜入捜査でなければ、このようなコンパニオンの常識とか「機会があれば話で聞く」くらいでしか、知り得なかっただろう。
「なんでも勉強だね」
「はい♪」
コンパニオンばかりの脱衣室だからか、殆どの女性たちは、裸身を隠していなかった。
「…まあ そうだよね」
「ほら マコトも、浴室へ向かいましょう♪」
ユキは裸でも全く恥ずかしく無いけれど、マコトは、女性同士といえどユキ以外の他人と同席でのヌードは、少し躊躇う程度には恥ずかしい。
(…これも 潜入任務)
自分に言い聞かせて、マコトはお姉様たちの後を続くユキの後を付いて、浴室の大きな扉を潜る。
大浴場のブロックは、本当に大きな洗い場と浴槽があった。
「まぁ…何と 立派な浴室でしょう…」
「本当に 広いね」
セカンド・タカラブネ号のコンパニオン用として利用可能なバス・ブロックは、浴室と言うより浴槽空間と呼べる程の広さであった。
旧世紀のドーム球場ほどな広さの空間で、壁の一面は超耐性ガラスで、宇宙空間が観賞可能。
床面積の三割ほどが洗い場で、残りは全てが浴槽だ。
浴室内では、髪や身体を洗っている女性たちや、広い浴槽でノンビリと暖まっている女性たち。
色々な惑星人が広大な空間で一緒に入浴をしている様子は、このような大型旅客船らしい光景であった。
全身をシャワーで流して、持ち込んだボトル・シャンプーソープで、裸身を洗浄。
「~♪」
ネコ耳ネコ尻尾なマコトだけど、実はお風呂が大好きであった。
艶々な黒髪とピンと立つ黒ネコ耳を、元気良くシャカジャカと洗うと、腕の動きに合わせて濡れる巨乳が、上下に弾む。
白い乳肌で湯と泡が官能的に濡れ滴って、張りと艶を惜しみなく魅せている。
先端の桃色媚突も、白い泡を被って半身を隠して、もし異性に見られたらモノ凄い熱欲視線に晒される事、間違いなしだ。
細い背中も括れたウエストも、温かい湯を流し、シミ一つ無い美肌を、泡が滑り落ちてゆく。
大きなヒップは丸い肌が濡れて揺れて、張りのある膨らみで分けられるように、お尻の谷へと泡湯を集めて流した。
裸腰の前側はツルツルの肌が引き締まっていて、ニュっと伸びる両腿を伝って、泡が流れ落ちてゆく。
ムッチリの腿から細い膝を滑り、優しいカーブの脹ら脛から更に細い足首までが、温められて上気していた。
小さな脚平の可愛い指も、先端が赤らんで、女体の温度を納得させる。
マコトの隣では、ユキも同じく、裸体を洗浄中だ。
「ふんふん~♪」
白いウサ耳や、ゆるふわな長い髪に湯を浴びせ、気持ち良さそうな笑顔で、耳をピクピクさせている。
頭の天辺から爪先まで全身隈無く洗えるシャンプー・ソープで、球の肌を優しく洗浄していった。
髪からの泡が細く白い首を流れ、鎖骨を経て豊かな巨乳へと滑って流れる。
大きな艶双乳は、反対側の上腕を洗う腕の動きでユックリと揺れて、弾む白い乳曲肌が湯を弾いていた。
先端のバージンピンクな愛突は、濡れて艶めいて、健全な色香を魅せている。
華奢だけど引き締まった背中や平らなお腹、細い脇や縦長な臍が泡と湯で流されて、白く拡がる少女腰を温めて濡らしていた。
肌艶にくすみの全く無い下腹部や、左右と後ろに大きく発達をした安産型な裸尻の中央溝が、湯で温められて仄かに上気。
脂の乗った腿を流れて、細い膝や締まった脛部から足首を濡らし、小さな脚平がモジモジとうごめいていた。
中性的で起伏に恵まれた美王子様と、愛らしくてノンビリとしたダイナマイトボディーのお姫様が、揃って仲良く入浴をしているような姿に、同浴しているお姉様がたも、つい注視をしていたり。
「ぅわぁ~♪ マコちゃんもユキちゃんも~、綺麗な身体ツノね~♪」
「ギョギョっ! それに、ボインボインで、ギュってなってて、ムっチっっ、て感じじゃないですかっ!」
特に、小柄でスレンダーなリュグお姉様は、羨ましそうに目を見開いていた。
「かちゃり。二人トモ、ぼでぃーらいんモHヨネ♪ ねーむダケジャナクテ、ぷろぽーしょんも頑張ッテ 本物ニ寄セテイルノネ♪」
「ま、まぁ…」
「お姉様がたにお褒め戴けるなんて、嬉しいですわ♪」
危うく本物とバレたとか思い、焦ったマコト。
五人の会話で、他のお姉様がたも、話しかけてきた。
「あなたたち、今日は朝の担当だったの?」
「はい」
身体を見ながらだけど、質問は仕事に関してのようである。
「じゃあ、明日は大変かもねぇ」
「そうよねぇ、この身体だもんねぇ♪」
「?」
女性たちは、二人のボディーに何かを確信しているみたいだけれど、なんの事だか解らない二人の反応を、楽しんでいるようにも見えた。
「…お姉様がた、夜の担当では 何か特別な事でも、あるのですか?」
マコトの問いに、三人娘もニヤニヤしている。
「ギョギョっ。さっき話した、紙マッチの件です」
「…あぁ…」
意味はわかった。
「あ~♪ ね~、ニッポン式~、やらないツノ~?」
入浴に於けるニッポン式とは、並んで座って背中を流し合うという、太古の温泉の記録にも残されている、伝統的な友好儀式である。
「ギョギョっ、こっちこっちです~♪」
お姉様がたに手を引かれ、マコト、ツインホ、リュグ、ユキ、ソフティの順に椅子へお尻を下ろし、タオルで優しく洗浄開始。
「カチ~♪ ゆきノオ肌、本当ニ雪ノヨウニ、白クテ綺麗デすべすべナノネ♪」
五人は向きを替えながら、背中流しを楽しんだ。
~第十話 終わり~
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