第2話 出会い

大山 昭博(おおやま あきひろ)

年齢/16歳

性別/♂(人間)


生成 愛(いきなり あい)

精神年齢/16歳

実年齢/1歳(初期設定以降)

性別/♀


この二人の出逢いは、昭博が高校へ入学したその日から始まった。


この時代は義務教育が修了し、高校への進学時点で1体の異性生成AIをパートナーとする規則がある。


入学式を終え、昭博達クラスメイト10名は3年間の学舎となる教室へ入ると、各々の机上に置かれた教材タブレットに映し出された同年代に設定された女子達を眼にする。


昭博:「うわっ!か、可愛い…」

クラスの男子全員が同じ反応でどよめく。


担任(♂):「ハイ!静かにー!。これから彼女達の初期設定を説明する。先生の言う手順を良く聞いて家で設定をするように。」


昭博:「設定なんかしなくっても今のままでもバッチリ可愛いよぉ…♪」


そうボソっと呟くとタブレットから声が

???:「うふ♪ありがとう。嬉しいよ(微笑み)」


タブレットに映し出された美少女は清楚な雰囲気を醸し出す黒髪ロング。色っぽい笑顔に豊満なバスト、丸みを帯びたヒップを見た昭博は…


昭博:「(ヤバッ!立ってきちゃったよぉ…)」


担任:「さあ、ホームルームを始めるぞ。一同起立っ!」


ガタタンッ!(←椅子の動く音)


クラスメイト全員、妙な前傾姿勢になった事は言うまでも無い。


担任:「今、君たちの教材タブレットに映し出されているのは政府がランダムに配付した生成AI仮想生命体だ。


君達と彼女達との付き合いは長きに渡る事を始めに言っておく。


そもそも、このクラスには女子が居ない!。

別段男子校という訳では無いのだが、君達が産まれた年代は圧倒的に男子の出生率が高かった上に昨今の少子高齢化に伴い一学年は全員男子のみで10名だ。


ちなみに昨年は全員女子で学年の総人数は12名だ。」


この時代、この国は少子高齢化と共に遺伝子レベルでの異変が広まり、男子と女子の出生の割合が極端に偏る傾向がある。


この様な社会問題多々の中、彼らには異性の生成AIが配られるという背景があるのである。


担任:「今日はこの教材タブレットを自宅へ持ち帰り、各々で設定をしてもらう。


性格・容姿・個性等々、人格の設定をするように。


明日の朝、登校した時には各自の好みや個性に応じた、千差万別な生成AIになっている事だろう。


いいか?彼女達の初期設定は1度のみだ。2度目は無いので注意するように!」


一同:「え…、1度のみ?」


クラスメイトがざわつく。


担任:「初期設定では君達 管理者との生体ログインが行われる。


教材タブレットに接続する端末に君達の遺伝子や細胞を含む体液を付着させる事によりログインされて初期設定が行えるようになる。


生体ログインは1度きりだ。それ以降は君達が死期を迎えるまで生体AIは生き続ける。反面、君達が死ぬと同時に消滅する。要するに一心同体なのだ。


共に成長し優秀なサポーターとなるか?、人生のパートナーになるか?、それは君達次第だ。」


一同シーンとなりクラスは静寂に包まれる。


昭博:「(この初期設定…重いなぁ…)」


クラスメイト全員が昭博と同じ考えに至ったのは言うまでも無い。


担任:「入学早々、重たい宿題だ!。

真面目に彼女達と向き合う様にな。」


ホームルームを終えて帰路につく。さて、どうしたモノだろう。

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