第56話 み い つ け た
「なんと言うことだ……飛び地が攻撃されている!」
「でるぞ! あずき!」
「フィー異次元エリアから直接転送って出来るの?」
「ばうー」
「私は2分かかる! そうだ、鶴丘と組もう!」
急いで鶴丘の家に。なんとまあ、もう出払っているとのこと。さすがヤクザ、自分のエリアが攻撃されたら絶対許さねえもんな。
「エネルギー積層技術が割れている。ってことは凄い数が上に乗って割ったか、凄い数が攻撃を仕掛けて割ったか。日本銀河帝国のエネルギー積層技術を割るのか」
「飛び地は安全でしたからそんなに分厚い積層技術では無かったかもしれません。今どこから出現させているのかを突き止めないといけません」
「あと30秒ででられる! プレートは持ったよ! 再改良してあるって!」
幸いアラートは鳴ったのか軍隊が展開しており一般人はいない。といっても一般人がいるところに犬博士が突撃しているので防御シールドが割れそうだ。
「行きます! 中央に走って! 私はここだぁ!」
膜から薄ーく護符が剥がれる。先の成長で少しツールパックも成長したようだ。
これならすぐに張り直せるし、取ろうとしても膜がすぐにくっつくのですぐには取れない。
「 ア ズ キ チ ャ ン み い つ け た 」
「アズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャン」
こ、今回めっちゃ多そうだ……。アズキチャンの数が凄い。エーテルは50パーセントを超えているしフルスロット大型コアだけど、持つかな。
「アズキチャンアズキチャン、今回は効かないよ」
ボスの声か? 犬が喋るわけない。いや、 わんわん! アズキチャンわんわん! とは喋るが。
「あーうそ、体当たりしてこないのか。牙飛ばしか消化液飛ばしをしてくるのね」
数はどんどん増えてゆく。どこで出しているかわからないが、数を出せばそれだけ出せる数は減っていく。
前回もそうだったが、消耗戦なのだ。あっちもこっちも遭遇戦なのは間違いない。
「ルカ! どうする!?」
「ここあさんは光の翼で薙いできてください。ここまで数が増えたのであれば、効果的な行動でしょう。フィーさんも同じ行動を。体当たりしてこないとはいえ、引きつけているのは確かです」
「わかった! 任せろ!」
フル装備のここあちゃんには滑空及び制御用の翼が付いている。
エネルギーをそこに回すと両端と翼に鋭い刃が展開する。薙ぐのに最適だ。フィーも風の刃持ってるよねーふぃーかわいいねー。
「ナイスルカ! ここあちゃん防御行動忘れないでね! 前回はでかい巨人がでたはず! それのアタッカーここあちゃんだよ!」
「任せろ!」
もしかしてと思っていったんプレートにエーテルを注ぐのを止める。あー突進してきたわ。再度プレートにエーテルを込める。
「突進しないタイプかなって思ったけど、違ったね」
「何遊んでるんだドアホ」
「うるせえガキ」
まあまあ、今は力を合わせるとき。グッと堪えて救援を待つ。あるかわからないけど。
「しかし、軍隊はなにもしてこないな」
「最新? パワーアーマーに攻撃型サイボーグまでいるんだけどねえ」
「散らばって召喚してくる犬人間の対処に当たっているのではないでしょうか」
「うちんところメインなんで攻撃してくれないかなー」
ほとんどエーテルも使ってないし割とのんびり数を減らしていたら、エネルギー積層技術が復活した。
んー? エネルギー積層技術の真上に大量の犬人間を落としてるね。なんでだ?
「これは憶測ですが、召喚はナノ魔法みたいな感じでエネルギー積層技術内部では出来ないのではないでしょうか」
「あーありうるな」
「中央タワーを覆うくらいの高さがあるし、呼んだ犬人間はほぼ死ぬね。ちょっと休憩するわ。エーテル補充したいし」
「今どれくらい残ってるんですか?」
「51パーセント。通常の生産量の方が勝ってるわ」
「うわ、化け物」
「なんだとこら」
ここで登場したのが鶴丘家。一気に私の周辺に展開し、隙なくエネルギーライフル(Pかな?)を構える。
二重らせんで、外側がアンドロイドで、内側がパワーアーマーつけた人間。
「遅れてすいやせん、馳せ参じました」
「こーぞー! すぐ説明に入るがやつらの遠距離は見た目以上に危ない。住人の退避は完了したか?」
「軍隊がやってますがほぼ完了です! 千載家に傷一つ付かせやしねえ!」
「あんた、あずきはその陣形じゃ危ないって言ってんのよ」
そこに現れたのは、59連敗の女でしたわ。
「場所を変えるよ。この壁に接する。かなり巨大なビルだ、耐えられるでしょう。ここにあずきちゃんを設置して、前面にアンドロイド、側面にパワーアーマー組を配置。遊撃はここあちゃんと数名のアンドロイドだ。アンドロイドはエネルギー直結しな、オーバーヒートまで撃つことになるからね! わかったか!」
「「「おう!」」」
「
「鶴丘家の女やってんだ、銃くらい出来ないと話にならないんだよ。さて、うちらは大型戦闘機械に乗る。移動は公造、火器管制は私だ。さすがにトップが乗るから前線には出ないけど、随時指示は出せるから安心してくれ」
「今回も巨人出してくると思うから、その時は思いっきり引いてね。さすがに軍隊も対応するでしょう」
それから1時間。
「なんどかエネルギー積層技術が復活して、そのたびにパワーヒールでみんなを直しているけど、さすがにエーテルを使う。完璧に消耗戦を仕掛けている。それくらい予備があるってことか」
「軍隊が動かないのがキツすぎる。あれだけの戦力があるのに」
「直接直訴しますか。サクラ・パンチなら全てのシールドを割れますよ」
「そうするか。次の波が終わったら中央センターに行く」
次の波が終わり、パワーヒールをかけてみんなの傷を治したあと。
「じゃあちょっと行ってきます。護符を張るので見境無く攻撃してくるでしょう。犬博士のかみつきは想像以上に威力があります、複数人で行動してください。死ななければスーパーヒールで直せますので、即死だけはやめてね」
ずっと抗戦していた鶴丘はだいぶ名声稼いだなあ、などと思いつつ中央センターへ。かなり強力なシールドが張ってあって笑ったけど、サクラ・パンチで一発。
ここの長官と会いに行く。進入禁止だとか撃つぞとか言われてきたけど、銃の銃口をひん曲げ撃てなくさせたり、撃たせても無害なことを示したりして余裕で長官室まで。
「なんで民間を軍隊が助けないんですか!? これは災害ですよ! いつ止まるんですか!?」
なんとそこには綾雪乃先生がいらっしゃった。あらぁ~。
「なんでここに雪乃先生が?」
「ああ! あずきちゃん! ごめんね、ここの常設展壊れちゃった」
「え……え……」
「それよりもあずきちゃんもなんとか言ってよ! 個人戦闘だから関与しないんだって!」
「個人……戦闘ですか? この規模が?」
長官はゆっくりと頷く。
「これは亜空間を利用した私闘である。あとで賠償請求を行うつもりだ」
「あ、そーですか。わかりました助けません。潰れてください。雪乃先生、一度乗ってください。フィー、鶴丘一家全部載せられる? 座ればなんとかかー。まあいいや。いったん逃げよう」
鶴丘は関係者を置いていくことは出来ねえと登場を拒否。鶴丘家に巨大地下空間があるからそこに収容するって。アンドロイド製造業が表なのは違うなあ……。
それで、中央センターに出る前に護符を貼る。すぐに(といって時間かかるんだけど)フィーに乗って逃走。まあ狙いは消えた中央センターだよね。
パリンと割れたあとは暴走した犬人間が軍隊を蹴散らす構図に。
「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」
「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」
「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」
「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」
「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」「アズキチャン、アズキチャン、どこ? どこ? うわあああぁぁぁ!」
もちろん私達より軍隊の方が圧倒的に強いんだけど、数がね。それを凌駕する集中砲火もないし。軍隊は組織だから強いんだよなあ。
さて、通信。
「どうも。助けないんだけどこの失態どうするの? 通報者五万といるよね」
「損害賠償が増えるだけだ」
「綾雪乃先生もうここで常設展行わないし、サイン会もしないし、なにもしなかった政府への損害賠償を請求するって言ってるよ。家があったらしいからね。飛び地ごときが支払えるの? 一兆はくだらないと思うんだけど」
「戯れ言を!」
ここで綾雪乃先生が回線に混じる。
「綾雪乃です。私の階位知ってますよね? 私が嘘つくって思ってるんですか? ほー階位6位程度が思ってるんですか。私陛下に直接回線開けるので惨状を報告して切腹お願いしちゃおっかな」
「ちょっちょ。まっt――」
ここで回線を切る。雪乃先生階位何位なの!?
「――じゃああずきさん、私は応援しか出来ませんけど頑張りましょう!」
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