第47話 鶴丘家
「2000ゼニと全てのコアを取得して解決、です」
「おおー、補償としちゃなかなかじゃない? もっとお金あってもいいけどさ」
「まあ、護符のことなんてわかりませんでしたからねぇ。しょうがないと思いますわぁ」
これはつまり、合意を得ずに勝手にものを取り災害と弾薬消費などを引き起こしたとして、飛び地地方政府が支払ったお金ですね。寝てるのを起こしてから確認すべきだった。
「何体いたんですか? 200くらい?」
「中型を572いただきました。かなりの数ですね。すでにフィーさんの保管庫に入れてあります」
「前回の総攻撃の半分……」
「あずきさんは気をつけないといけません。今回のはかなり溜め込んでいるか、力があるかです」
数を聞いて護符の強さが気になってしまった。日本銀河帝国の力を持って護符を作成してくれないかな。
「ルカさん、護符なんですけど」
「飛び地の中心街へ参りましょう。そこなら強力な護符が手に入りますよ」
「早く行きたいけど、護符、いくらかかるんだろう……」
まだ予備もあるし腐ゆっきーのもかなり強いと思うけど、眠るとだいぶ見られている。まずいなあ。
どれくらい強くなるんだろう。護符の……強度? みたいなものが分かればなあ。
川岸から中心街に行くために電車に乗る我ら。
ガタンゴトン進むよ電車くん。
文明度たけえ。
ちなみにフィーは小さくなりあやされて寝たあと、背中のツールパックに入ってる。
パックは密閉されなくなっちゃうけど、フィーの顔だけ出てるし、なにせ背負えるから……。
私以外は起きちゃうから……。
護符は密着してあるから……。
かわいいーっていって人が寄ってくるから……。
な、フィーは可愛いよな。ふへへ。
ツールパックあいてるんでミカさんがバックパック背負ってる。学生気分で良い感じらしい。
全然良くない。私仕様のバックパックを背負ってるから小さくて前がつっぱる。
和装なのにパーフェクトボディの片鱗が見えてる。これだけですごい殺害力。近くに女子よれない。
おばあちゃんは来る。おばあちゃん女子辞めたのか。
あんまり気にしてなかったけど、レーダー反射を見ると時速400キロメートルくらいでてるんだね。
地図見た感じ、飛び地の端から端までが400キロくらいだったので中心街まではすぐつくね。
中心街の清水駅に降りた私達。見えた光景は懐かしくも圧巻する光景でした。
「ビルばっかや! なんか懐かしさを感じます! 壊されてはいないけど薄くされた記憶の光景なんでしょうね! わーすごい!」
「本当ビルばっかやね、ビルだけで店が少ないわぁ。ルカさん、なんでこんなところで降りたのん?」
「メインストリートにお守り占いやってるところなんてありませんからね。まずは知り合いに話を聞こうと。参りましょう」
というわけで参りました。第117代
「よお若いの。ルカだ」
若いのは45度の礼をする。いや、私も存在くらいは知っていますけど、まさかあれですか。
「ルカ様ですね、お入りください」
「おう。3人とも、わたくしたちは客人ですので安心して中へ入ってください」
「ルカ、ヤクザと繋がっていたのか。失望したぞ」
「ここあさん、失望させて申し訳ありません。いろいろとやってのクレープ屋ですから」
ここあがブツブツ言いながらもみんなで入っていく。
中に居た若いのに通されたのは屋敷の一番深いところ。
そこに一名のもう完全にヤクザというのが座っていた。
「久しいな。公造」
「まあ座れ。お三人方は座布団の使い方わかりますか」
「馬鹿にするな、それくらいわかる」
「うちもいろいろありますから、知ってますわぁ」
「記録にはあるので大丈夫だと思いましゅ」
噛んだ。
座布団がT字型に並んでいるんだけど、えーと、
一番前はもちろんルカ。上手? に座ったのはここあ。
Tの場合真ん中が上手だった気もするけど堂々と一番奥だ。
つえーなこいつ。真ん中にミカさん。下手に私。まあこんなもんでしょう。
「で、要件はなんだ」
「簡単だ。ここのものなら飛び地川岸犬人間騒動は知っているな」
「あのとんでもねえ事件か。あれがどうした」
「うちのあずき、下手に座っている人物が起こしたと言っても良い事件なんだ。背中の護符が外れたせいでな」
「なんだそりゃ」
ミカさんが詳しく説明をする。だいぶ緊張感がある。
「そっちに座っているうちのあずき、千載あずきは最古のアンドロイドなんだが子宮がある。子供が産めてな。主任開発者の博士という人物に追われている。あの犬人間は博士が生んだ奇形生物だ」
「せんざい……あずき……だと。名字は本当なのか。名前は。PDAに照合させてもらっても良いか」
「千載家大元にそんなことさせるのか」
「さすがに確かめないとまずい」
私はPDAに名前を表示させておっちゃんに見せる。確認したおっちゃんはその場で手をグーにして地面に拳をつけ、深く頭を下げる。
「千載家大元の人物をもてなせなくて申し訳ありませんでした。総本家中の総本家がいらっしゃったとは」
「なんかよくわからないんですけど、私は総本家の大元なんですか」
「そういえばボクはつるおかじゃなくて、つるがおかだぞ。関連性があるのか?」
「い、
「ま、こんなところだ。ここあさん、ここあさんを勧誘したのは
「よく知っていたな、ルカ。私は三千数百歳の秘蔵っ子で隠されていたのに見つけたのもそれが理由か」
「一時期こういうのに関わっていましてね。それで知りました。千載家は今もありますが、伝説のアンドロイド[千載あずき]は半信半疑でしたけれども。ここあさんを迎えたのであれば、一度行ってみないとと思いまして」
「実際は伝説というか、最初のアンドロイドってだけで普通の女の子でしたね。ここまで強くなりましたけど」
「伝説は伝説でしたね。ただ、インプラントで一気に強くなったときに可能性を見いだしました」
ちなみにミカさんは中原で、こっち系じゃないけど舞姫の家系だったそう。
「舞うといっても戦場だし、その姿はゴリラだったけどな」
「こーこーあー!」
「今は色気あるけど、日常生活でもゴリラだったよねえ。ちなみに家系に意味あるんですか?」
「ありやす。家系は遺伝します。家系が作ったロボットにも遺伝します。
「あーなるほど。すごい理解しました、ってミカさん殴りにこないでー!!」
ドッタンバッタン家系の話で飛んじゃったけど、護符の話に。
「護符に関しちゃ本領じゃない限り日本銀河帝国では話になりません。誰もが科学を信じていて占いや護符などのお守りは何となく持っておいたら良いかな、でしか考えておりません」
「え、じゃあ飛び地では駄目なんですか。寝るときだいぶ見られているからそろそろ危ないんだけどなあ」
「ここの西にあるドルバート国のサディスン伯爵ならなんとかしてくれるでしょう。まだ爵位に意味がありますからね」
これでここに来た理由もわかったので帰ろう、とはいかず、もてなしたいということでお夕食が出されました。
急いで最上級にしたのがわかるんだけど、めっちゃ豪華。肉とかエビとか刺身とかがどっさり。
ご飯も美味しくて、おかずの量があるから3回おかわりした。いやー良い飯だったなあ。
ご飯の後はお酒、なんだけど、ルカさんの計らいでこーぞーとミカさんだけ別行動で私達は違うところで呑んだ。
BARってやつ。カクテルって美味しいんだね。
ルカさんが
「ミカさんはここで離脱かもしれませんね」
と言っていて、私も理由がわかるだけに同意せざるを得ず、少し寂しかった。
「これで本日公造が手を出さなければ本気でしょう。愛人なら今日手を出すはずです」
ミカさんが離脱するかどうかがかかっているので、私が追尾。ここあのほうが能力はあるけど無粋だからな。
無事に今日は手を出さず、みんなで鶴岡家の布団で眠りました。
決まりかもしれない。
フィーを背中にずっと背負っているので、そっと起こして私のそばに。
眠っているときに近くに博士がきたらすぐ追い出してもらうことにした。
「アズキチャンアズキチャンアズキチャ……なんだてめぇ!? 亜空間に入ってくるんじゃねえ! くそがぁぁぁぁぁ!!」
ふぃーありがとー。
補給したり階位もらったりするので数日飛び地にいるから、その間は鶴丘家に滞在。
慣れると便利な家だわ。客人だからね。
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