第46話 そりゃねえだろ
んで、寝てる最中。
「アズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャンアズキチャン」
「 み い つ け た 」
「 飛 び 地 で 会 お う ね 。チュッ」
逆に安堵だよ。抜刀隊の博士を置いてきたかなって心配だったんだ。
起きた場所は四角い検査室。荷物検査だそうで。
検査している人は警備隊みたいな服装。記憶に残ってる当時の現代と変わらない。
軍隊でもなけりゃそんなに服装は変化してないのか。
「背中にツールボックスがありましたので全て一時回収しました」
「え!? 護符も!? お守りも!?」
「全てです」
「ヤバイ、それだけはすぐ持ってきてください! あの博士に追われているんです!」
「そうはいいましても」
そんなとき鳴り響くサイレンの音。キュウ、キュウ、キュウ、キュウ。みたいな。緊急地震速報みたいな音がする。
「なんだ!?」
警備員が来る。おお、未来スーツだ。飾りじゃないんだろうなあ。すごいなあ、未来スーツ。着たくないけど。
「犬型の人? よくわからない生物がここを襲撃しています! 民間人は退避してください!」
大急ぎでおくの避難室へ退避する。何名もの人が怖そうな顔でちじこまっている。この人たちは無関係。助けないと。
レーダー、センサーを最大稼働する。テレパシー通信をここあちゃんとつなげる。
「そっちの調子は!?」
「人がいる! エネルギー速射砲しか武器がない! 幸いお前しか見ていないからこっちはなんとかなる!」
「ミカです! 武器がない! フィーの中ならあるけど! フィーが噛みついて少しでも数を減らそうとしてます! フィーと連携して数を減らします! 10式マシンガンの出番や!」
「ルカです。術を警備隊の人にかけてますが、犬博士の数が多すぎて警備隊の人数が間に合っていません。ここには軍隊が駐留しているはずですが」
「私は護符を没収されてる! 一生続くよこれ! 護符を誰か届けて!」
かなりやべえ。腐ゆっきー町で1000体以上出たんだぞ、元気な偽博士だと何体出るんだ。
「わんわん! アズキチャンわんわん!」
「わんわん! アズキチャンわんわん!」
「わんわん! アズキチャンわんわん!」
「わんわん! アズキチャンわんわん!」
もうシャッターの向こう側に来ている。シャッターをどうするかはわからないけど、シャッターくらいで止められるわけがない。
相手は犬型の人間。Rピストル一つで処分できる。落ち着いて武器を選択しろ。
地獄の始まりだ。
「うおおおおおおおおおお!!
「ミカです、軍隊来ました。掃射開始しています。もう建物内部への侵入はないと思います」
私の選択は
これ撃ったことあるんだけど、半円状に拡散された細かいレーザー(っていえば良いのかな? レーザーでもなさそうだけど私馬鹿だから)が発射される代物で、最初は空気とぶつかって全然火力でないんだ。
けど、撃ち続けるとSAKURA粒子が周辺にとどまりはじめてぶつかる物が無くなり、距離は出ないもののかなりの威力が出るのよ。
それを先行で撃った。シャッターが壊れる前に。エーテルがある限り撃ち続けようと。
効果は絶大で、シャッター周辺には完璧なバリアができた。犬型は突っ込んでくるだけだから当たって溶ける。
ただねえ、部屋脇からも入ってこようとする輩がいて、窓とかあってさ。
馬鹿みたいにいるから周辺に集まっちゃって。そいつらの侵入にはどうにもならん。
しょうがないからそのままにした。
最初はとりつかれても大丈夫だった。
装甲が刷新されたのでやつらが使う「先っちょ溶かし隊」(漢字は推測だけど、そんなこと言ってたな)が効かなかったらしい。
電気ショックは規定事項みたく、とりついたら電撃が走っていた。先っちょを挿入していないため、白い液体は出ないみたい。栓?
右手でスナップきかせてナイフを持ち、補助脳に権限渡して排除していった。
途中から装甲から骨まで溶けちゃった。多分出現する犬の先っちょなんたらの成分を変えたんだろう。
そんな感じでゆっくりと侵入され始め、今。まだ6匹までとりつかれていないので防護できている。白い液体はかかっているが。
電気ショックに耐性が出来たとは言え、一瞬でもショック受けたらサクラ・フレア止まっちゃうし取り除いてもらうしかない。
骨ガッチガチだけどね。
ぴー! って言った
生体モニターに内部で刃物が使われたと出ている。
そっかあ、穴はこっちが逆利用して、無力化すれば良いのかあ……あたまいいなあ……。
「エーテル残り3パーセント。間に合わないかなあ」
「護符は見つけた! ミカ、支援これないか!? ボクの背じゃ押しつぶされちまう!」
「軍隊からライトマシンガンとその弾借りたわぁ。いくで!」
「護符の挿入はわたくしですな。190センチ、ムキムキマッチョの出番が来たようです」
ギリで間に合うか間に合わないか、だねえ。もう撃ち続けて左手が熱い。
SAKURA粒子を亜光速まで加速させるからねえ。左手の短い距離で。
「うおおおおお! 来たぞ! 右側の犬は任せろ! 一匹も通さねえ!」
「助かるー。ミカルカが来ればなんとかなるね」
ここあちゃんはエネルギー速射砲ではなくエネルギーマシンガンともいうような速度で発射し始めた。
あんなの見たことない。
モンスター向けじゃない、完全に博士用。
まじで隠れた努力し始めてる。天才最強機体が努力しちゃったら追いつけないよ……。
「ミカとルカきたでぇ! ここあ少し下がってあずき前に出ろ!」
「わかった!」
「らじゃ」
下がって前に進んだ二人、そして容赦なく私に降り注ぐライトマシンガンの弾。
「いでぇ!」
「でも貫通しないでしょ! ルカさん、タイミング合わせますよ!」
せーの。
とぅ!
軍隊が外を固めていたから犬があまりいなくなっていたというのもあるけど、一瞬私から犬が減ったその時にルカさんが犬を突き飛ばしながら私に接近、背中に護符を入れた。
「エーテル0.5パー。左手暴走ギリギリ。助かったよみんなー」
「ここあ!」
「わかってる! 民間人は1ヶ所に! この異形が見境無く襲い始めます!」
ここあとミカさんが掃討してゲームセット。勝った。
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