第1回星投げポイント開始

第19話 ありがとう綾雪乃さんの回(スペシャル回

 時間があるので町を散策してきました。

 今は焚き火でキャンプ中。一番これが心を和らげる。


「腐は沢山見たんですが、ゆっきーの方見てないですね」

「本屋行ってないの? 雪乃先生の本が紙で売られていたわよ」

「紙!? 明日一旦抜けますね! 新刊だけでもぜってーかわないと!」

「お金無いでしょ。はい、あずきのPDAに移すから。間違ってインプラント買ってこないでよね」

「わー、お小遣いの中から買おうと思ってたのに! ありがとうミカさん!」

「あずきさん綾雪乃さんの本大好きですからね」


 なんて話しをしていると。ここあちゃんが凄い人を連れてきた。


「あやゆきのを発見したので確保してきた。ほら、ファンの前だ跪け」

「え、いや、はずかし。こんばんはー、綾雪乃ですーファンのかたいつもいつもありがとうございますこの通りー」


 本当に跪く一般人A。本物なんだろうか。


「え、本物? この星で執筆しているんですか?」

「えっと、はい。いつもは日本銀河帝国JUNA本領で執筆してます。たまにここへ遊びに来るんですよー腐のゆっきーなんで。腐の雪なんで。私雪乃なんで。ここにはいろいろと薄くても良い本、それと個人で本にした同人書籍が売ってるんでね……!」

「えー! 明日すぐに本買ってくるんで本にサインしてください! 大ファンなんです! 『魔法薬師のメイシィ』は全巻電子で持ってますし、『えにし見えし者』も大好きです! 『リリリリRe!』とか、『故郷は爆ぜた。』とか! 『仲直りはシリーズ』も好きです!」

「わわ、嬉しい。ありがとう。メイシィ本はバッグにあるから全巻にサイン書いてプレゼントするね」


 といって肩下げバッグから本とサインペンを持ち出してささっとサインを書いていく雪乃先生。でも先生、メイシィシリーズ100巻超えてまっせ……全巻にサインできるの?

 すごいことに2時間ほどで全巻にサインが書き終わった。


「ふう、一仕事した。あ、異次元バッグは持ってる?」

「あります。かなりの大容量のが」

「よかった、100巻超えてるから異次元バッグがないと持ち帰れないのをうっかり忘れちゃった」


 かわいいな、おい。ゆるす、全部ゆるすよ。


 それじゃ寝ないといけないので、といって先生は帰っていった。はー、現人神あらひとがみにであっちゃったよ。


「おしゃべりしたかったな……」

「時間も時間だ、諦めろ。出会えたことに感謝だ」


 そうだねと自分を慰めつつ、さてと、あと8時間ほどは待たないといけないので一眠りしますか。アラーム担当はここあちゃんで。正確だからね。


「時間だぞー時間だぞー」


 歯にトライアングルを垂らして片手でちんちこちんちこ鳴らすここあちゃんに起こされて起床。薪の具合から見て寝てないな。真夜中だけどフィーの中へいきますか。


 寒いーと言いながらフィーの中へ突進する三人。そこではおかーさんが待っていた。後ろ姿だけど。そっちから入ってくると思ってたんだね。


「おかーさん、腕はどうなった?」

「命は入ったわ。後はつなぎ合わせるだけ。第一アンドロイド研究所所長としてこの作業だけは誰にも任せないし私がやるわ」

「でも所長、あたしは所長から時代もタイプも何もかもかけ離れているアンドロイドだ。大丈夫なのか?」

「任せなさい。元は同じ技術なのよ。そもそも同じ素体を作り完璧正確につなぎ合わせる、それもアンドロイドを。そんなのできる人私以外にいるわけ? いないでしょう」

「わかった。じゃあ、行ってくる。やる場所は手術室だよな」

「別にラウンジでもやるけど」

「……手術室がいい」


「じゃあ、私がダウンするとまずいから念のために早く。そうだなー6時間おきにピンクちゃんの電池交換してね」という言葉と共に、所長とここあちゃんは手術室へ向かっていった。最終関門だ。上手くいってくれ……!



「これで何回目の交換? ウチさすがに眠気が来た。60時間の日中の内1回はお昼寝しないとこの星ではやっていけないよ」

「5回目。30時間は経ってる。私まだまだ行けるからミカさん仮眠してきて」

「そろそろ大型コアの在庫が怪しくなってきました。あと3回は電池交換できますが、それ以降は3時間おきに既存の単1電池を使い回さないと厳しいです」

「今から魔物を刈るのは難しいなあ……」


 6回目の更新。36時間経過。

 7回目の更新。42時間経過。

 8回目の更新。48時間経過。もう3時間おきにコアを交換しないと行けない。またはコアを買ってこないと行けない。


「もう買ってくるしかない。ミカさんお金出せる?」

「うちは貧乏チームだからな。十数個しか買えないと思う」


 そんな話しをしているとき雪乃先生がフィーに話しかけている。マイクで拾う。


「あのー、ふぃ〜ちゃん。皆さんどこへ行きました? コアが必要ってことで一杯持ってきたんですけど」


 慌てて上のジッパーから出現し、状況を説明するミカさん。

 そして、こちらに向けてミカさんが叫んだ。


「フィーの中に居るみんな、聞いてくれ、大型コア50個の贈呈だそうだ!」


 ハイタッチする私とルカさん。一刻でも早く単1電池にしたいので初めてフィーの中に一般人――作家先生ですが――を受け入れることにする。


「これが大型コアです〜! 昨日皆さんが寝た後にもう一度訪れたらここあちゃんが起きてて。お話しをして膨大なコアが必要って聞いたので、持ってきました! しかし凄い空間ですね。メイシィやえにしに使えるかも……」

「すぐに魔力結晶生成機で単1電池にしましょう!」


 ぶいーんと大型コアが削られて単1電池になる。ほんとさー、削られるところを見るとかなり無駄が出てるんだね。一般化するってこんなに無駄が出るのか。

「わ〜電池作ってるところ初めて見ました〜結構無駄が出るんですね。単ゼロ電池とかあったら捗りそう」


 ルカさんが説明する。

「どこでも誰でも作れる安定性も持たせるとなるとこれくらい無駄が出るのかもしれないですね」

「これ削りカスはどうしてるんですかね?」

 どうしてたっけ、ああそうだ、と話す前に、ミカさんが説明し始めちゃった。

「うちのは回収して練り直して、再充電電池に補充するか、単三電池にして売ってるよ。うちのはアンドロイド研究所所長製の特殊品だからね。他の削り機は削りカスにならないな、溶けちゃうというか、蒸発するというか。まぁ、消えちゃうんだよ」


 なんか見学会になりつつ、オートクッカーでご飯作って食べたり、炊飯器のご飯にめちゃくちゃ感動してもらったり。凄い息抜きになった。ありがとう雪乃先生。


 9回目の更新。54時間経過。

 10回目の更新。60時間経過。

 11回目の更新。66時間経過。

 12回目の更新。72時間経過。


 なぜか雪乃先生も一緒になって祈っている。この人一般人なんだけど。


 こうやって時間が過ぎ、13回目の更新になるかというところでおかーさんが手術室から出てきた。上部のランプが使用中になっているから自動手術機は動いてる。


「おかーさん?」

「手術は無事成功よ。あとは自動手術機で塞ぐだけ。はー全部繋いだのよ、つっかれたー。あとはピンクちゃん頼んだわ †┏┛墓┗┓†チーン 」


 みんながここあちゃんの近くに集まる。十数分後、自動手術機が止まり、それから30分後くらいにここあちゃんが覚醒する。右腕の調子を確かめて……抱きついてきた。雪乃先生に。

 おいぃぃぃ、一番いいシーン私じゃなくて雪乃先生かよぉぉぉぉ!!


 まあいいか、命を繋いだ大型コアを提供してくれたのは雪乃先生だし。


「あ、そうそう、お茶持ってきたので皆さんでお茶会しませんかー? きっと成功すると思っていたので、クッキーも焼いて持ってきましたー」


 やっっっっっ、やったー! 先生とおしゃべりできる。


 お茶会は本当に穏やかに進み貴重な時間を共有させていただいたよ。

 ただ、なんでほうじ茶だったんだろう。雪乃先生ほうじ茶好きなのかな。


 雪乃先生の帰り際、何かバッグからごそごそしている。


「忘れ物ですか?」

「ううん、常設だけど本領や飛び地に展覧会があるので、それのチケットをふぃ~ちゃん入れて5枚持ってきたんだけど……あったあった、どうぞ、よってみてね」


 興奮しすぎてアンドロイドなのにぶっ倒れました。




 ――――――――――

 この回及び次回の閑話は、カクヨム作家である「綾乃雪乃あやのゆきの」さんに全面的なご協力を頂いて書かせていただきました!

 綾乃雪乃さんありがとうございます!

 https://kakuyomu.jp/users/sugercube


!!この物語と綾乃雪乃さんとは全く関連性はありません。全てはフィクションです!!

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