第18話 置換するぞ! 魂込めるぞ!
さっそくフィーに帰って寸胴型物質置換機に集合する我ら。
「今回の置換で完成させたいわね。みんな良い物から入れていって。設計図はデータ化して置換機に入れてあるから、足りる量になったら合図が出るわ ٩(๑•̀ω•́๑)و 」
魔鉄、ババブーを入れたら合図がなった。まあ、ババブーを一頭入れようとしたんだ、材料にするには十分だね。金属には魔鉄があるし。
「よし、これで置換すれば腕が出来上がるわ。1時間くらい時間かかると思うわ、みんなはルカさんのおやつでも食べておいで、おかーさんは食べられないけどね 。゚(゚´ω‘゚)゚。 」
「おかーさんも分割されて保管されているデータチップを一つにすれば元のおかーさんになるの?」
「なるわよ。ミカちゃんですら魅了するくらいの女性になっちゃうんだから ٩(๑•̀ω•́๑)و 」
そっかーと言いながらアイスクリームを食べる。うんまー。しっとりなめらか。あくが強すぎずでもしっかりと濃厚。私は苺入りを頼んだんだけどしっかりと甘みと酸味がきいていて、まず苺そのものが美味しい。それを混ぜてアイスクリームを食べるんだから間違いない。
「おーいしー。ルカさんのは間違いがないですね」
「ありがとうございます。ここあさんは緊張で喉が通らないようですが」
みるとここあのパフェは口に入った形跡がまったくない。
「ここあちゃん大丈夫? 大丈夫じゃないのはわかってるけど」
「ああ、さすがに緊張してる。置換生成は上手くいくと思うんだ。あずきの時代に広く使われた技術のようだし。ただそれ以降が完全に所長の技術で」
「駄目ならサイボーグ化技術でどうにかならないの? 自己進化でくっつけて自分の物にしちゃうとか」
「1000年以上前に試しにやったことがあるんだ、その時は普通に換装してな。結果はサイボーグはアンドロイドじゃない、ってこと。少しだけズレるんだ。ズレると無限エネルギーの供給や高速移動中での動きに若干の遅れが生じる。狙いもブレる。今の進化したあずきのバックスは務まらないよ。そうなる事態になったら私はチームを抜けるね。バックスが出来ないんじゃね」
沈黙が流れる。バックスが出来ないのではチームにいられないのは確かだ。反論する部分が全くない。
「ばうばう!」
「大丈夫! フィーが付いてる! だって」
フィーのおかげで少し和んだ私達。出来上がるのを待つのであった。
「みなさーん、置換は出来上がったわよー見てみるー? ٩(๑•̀ω•́๑)و 」
「みるみる」
「まだ命が入ってないから生気がないけど。これに魔力コアを使って命を入れるのよ (´◔◞౪◟◔’) 」
置換機の中を覗いて見てみると、小さめな腕が一つあった。ここあちゃんの腕だ。
「なんか一門砲が付いてるけどこれは?」
「ここあちゃんたっての依頼で、無限エネルギー速射砲よ。ライフルが壊れたときでも射撃が継続できるようにって (΄◉◞౪◟◉`) 」
「……ライフルに固執しすぎたのが腕をもぎ取られた原因だからな。明らかに囮だったのにライフルを回収しようとしてしまった。それで捕まったんだ。これがあればライフルに固執することなく射撃が出来る」
なるほど、よく考えておられる。私はそんなこと1ミリも考えてなかったよ。
「じゃあ、魔力結晶生成機に入れるわね。15時間くらいかかるからみんなはキャンプファイヤでもしてきなさい。おかーさんは見守るから。あ、単1電池でぎっちりバッテリーのところ詰めておいてね。途中でダウンしちゃいけないわ。 (*´﹃`*) 」
「大体わかるけど、ピンクちゃんに任せておかーさんは寝るよね」
「そそそそそそそんなことななななななないわよお ?*(゚∀。)? 」
ま、時間がかかるんだ、お勧め通りキャンプファイヤでも楽しもうか。
ここは腐ゆっきー街なのでキャンプはちょっと街から外れた、と言っても壁の中ではあるんだけど、一角に設備が設けられていた。
そこのお兄さん二人がめっちゃ仲良くってさ、キスもしててさ、あ、腐、って思ったよね。所々腐ってんなーこの街。
同性愛を否定するわけじゃ全くございませんが。
でも腐は好むよね。3次元は生ものだし、2次元でなら好むって感じかな?
繰り返すけど腐も私も同性愛を否定するわけじゃないよ。
本当、多様な空間である。この街。
「壁の近くに来るとエネルギー積層技術が働いてるのがよくわかりますねー」
「エネルギーを沢山の層にして防御力を高める技術ですね。元の防御力が高いほど効果が上がる。これで戦争の攻勢優位が防衛優位になりましたからね。凄い技術ですよ」
「魔物が出る星だと村レベルでも必ず設置されてますよね」
「囲まれていないとエネルギーが飛散してしまうので、柵でも何でもとにかく覆うのが一般化しましたね」
「今の時代って個人用のエネルギー積層防御ってあるんですか? 私の時代はあったんですよ。ライフル弾でも無効化するんで鈍器が流行しました。レベルを上げて物理で殴れ」
「ウチがいた特殊部隊でも使ったことや見たことないなあ。戦車とかには必ず乗ってるけど。日本銀河帝国なら技術として保持してるんじゃないの?」
ふーん、日本銀河帝国なら出来ちゃうのか。ちょっと残念だな。
キャンプファイヤの時間はゆっくりと流れていく。
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