案件その2。ゴブリンと戦う。名前だけは凄いんだよなゴブリンって。ゴブリンジャイアントデスキングロード、ゴブリンデスロードオブロード

第7話 ゴブリン城出征に応募してみよう

 宿場町を抜け、「土佐の守ヘイグナー男爵領位階17位本城」という男爵領で17位の和風城下町に到着。土佐の守はもう気にしなくていいでしょう。ここら辺は津荷つがでどこにも土佐要素ないもん。


 宿を取り、真っ先に向かったのは占い屋。占いといっても結構当たるし、護符やお守りなども作成販売しているのだ。


 ルカさんが状況を説明し、強化された護符とお守りを手に入れる。前回は髪の毛でしたが、今度のは血液50ccも入れましたので相当違うでしょう。注射器で吸いましたが、針が刺さるとき目をつぶっちゃうんだよね、痛いのいやだー。


「それでだいぶ持つと思います。根本はGPS機能を削除することですが、保存の良い大型遺跡の手術室じゃないと難しいと占いでは出ています」


 そっか、そうなのか。きれーなお姉さんが言うんだから間違いはないな。

 ついでにこの付近の遺跡を探してもらい、土佐遺跡が未盗で大きめの遺跡だと探してもらった。

 占い師ってなんでもできるね。

 しかしここで出てきたな土佐要素。

 昔は昔でも私の時代ではなさそうだ。データベースにそんな研究所や製造施設ないもん。もうちょっと後期のでしょう。


「ではそこに、といきたいのですが、路銀が少々心元ありません。まずはお金を稼がないと行けませんね」

「ご、ごめん。護符が高かったよね」

「しょうがないじゃん、そういうもんなんだし。依頼酒場にいって依頼探してこようよ」

「ここあちゃんが優しい……!」


 フィーは宿屋で寝ている(馬屋で繋がれちゃっているからね)ので徒歩で依頼酒場へ移動しました。ここは、依頼がデータベースで並んであって、飲んだくれている荒くれ者がいるっていう酒場。冒険者の酒場と言いたいんだけど、まあ、冒険者がいないんで依頼酒場なんですが。


「文明レベルは現在低いけど、以前高度文明が何度か興って科学技術などに名残がそこそこ残っているから冒険するところがないという。寂しい」

「知り尽くしたのはほとんどお前の世代だぞ。ま、こういう護衛や討伐なんかが向いてる人もいるからな。総称をつけられるほど群れてもいないので依頼酒場、ってわけだ、わかったか」

「すげー分かったぜ、ありがとうなここあちゃん」


 ミカにじゃねーよ! ちゃんつけるな! なとどブーたれてましたがまあまあ満足した模様。ディスプレイ機器にスキップで行きましたわ。可愛いやつー。

 私ももうひとつのディスプレイ機器に向かい、ポップアップディスプレイから仕事を探す。文明度には地域差があるから、本当に掲示板が使われてるところもあるってミカさんが言ってたな。私はまだそういうところに行ったことは無い。


「あずき、インプラントが自然発生する場所はエーテルが貯まりやすいところ、つまり魔力が集まりやすくて空間に澱みがあるところだぞ」

「うーん、街中はそういう所なさそうですね」

「ひとつある。そう、下水処理だよ。魔法屋の地下、護符作成や占いなど魔法的行為の行使が多い城からの下水、こういう所に発生していることが多い」



 うげぇ。いくら何でも下水処理は。



「しかも賃金も高いと来た、ほらほらやるしかないぞ」

「やったとして掃除後すぐに私を抱きしめてくれますか?」

「もうお前はいい大人だ、そんなの要らんだろ」


 じゃやらなーい。抱きしめてくれないとヤダヤダ。

 ミカさんのお金稼ぎの陰謀をサラリと躱し、ディスプレイに目を凝らす。

 じろじろ、じーろじろ。


「この、ゴブリン城出征てのはいけるやつなんですかね?」

「わたくしが酒場の大将に聞いてきましょう」

「あぁ、ウチが……じゃなくてお願いします、出てるだけで城主自体やる気がない場合もありますし」


 女だと、見くびられることもありますからね。茶髪黒目で身長190センチ以上、筋肉モリモリで和服、焼けた肌以上に黒い肌のルカさんなら、見くびられることもないでしょうね。ミカさんは背が高いけど茶髪黒目だし、軍人としては筋肉はあんまりないので、ただの和装で綺麗な女性に見られちゃうんですよね。


 奥に行ったここあちゃんを呼び戻し、事情を説明。「城攻めか!?」と目をらんらんとさせるここあちゃん。「城主にやる気があったらね」と私。

 果たしてどうかねぇ。


 待つこと数分、ルカさんが帰ってきました。


「今回は気合い入れているそうです。すでに露払いの部隊が多数雇われて出ている模様です」

「本攻めは?」

「はい、ミカさん。行うそうです。そちらにも傭兵を雇っています。今ここにいる人物たちがその雇われた人たちです。呑みながらチーム作りをしている模様ですね」


 ゆうて150人くらいかな。さほどの規模じゃない。男爵で17位だとそんなに兵も無いかもしれないなあ。


「勝てる規模なんですかね」

「位階17位なら大丈夫だと思いますよ。男爵なのは少し残念ですが」

「へー、位階ってこんな下位でも強いんだ」

「なんたって位階は日本銀河帝国から下賜されるもので、爵位は支持している国から賜わるものですからね。格が違います」


 なるほどねえ。権威が違うのか。あとの違いはちょっとわからないですね。

 前払い金が出ているのでそれで準備。グレネードポーチにフラググレネードを何個も積み込み積み込み。良いレーザーピストルに武装交換しておこう。

基本は肉弾戦だけど、射撃するときもあるし。


 ここあちゃんは自分のタクティカル変形銃をプラズマが発射できるように【P化】してた。一応装甲服も強化したっぽいね。素手素足の方が可愛いんだけどなあ、べろりんちょ。べろりんちょは博士を連想させるから止めておこう、撫でりんちょ。


 ミカさんはライフル銃の手入れと弾薬補充、ルカさんは各種術式に使う札の用意と護身用サブマシンガンの手入れだね。弾薬は豊富にあるので追加購入は無し。


 そんな感じで支度金を使ったので、あとは出征まで呑むだけだ! びぃぃぃるをもってこぉぉぉい!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る