弐章 ゴミの宝山④
次の日、神社で合流する事になり向かった
「よ!」
「集まったね、じゃああの山に向かうか」
「え、警察の人が行かないでって言ってましたよね...」
「だけど、ハルの記憶があそこで何か思い出せるかもしれないし、しかもあの山には何かあるかもしれない」
「どういうこと?千夏」
そういうと、昨日に祖父に聞いたことを話した
「なるほどね...昔にそんなことがあったのね」
「確かに、あの不法投棄の物の中に目新しいのがあって気になったんだよね」
「それに、人の...」
「まぁその話は本当かわからないけど、行くか」
ハルは4人のことを心配そうに見つめながらゴミの宝山に向かった
そこにはある違和感があった
「ね..ねぇ...不法投棄されていた物がないよ!!」
「え!ほんとだ...役所の人か警察の人が片付けたのかな」
「...先に進もう...」
少し戸惑いながらも山の中に入っていった
まだ昼前というのに木々の密度が多く入射光は奥に進むにつれ薄くなっていく
「この山本当に暗いね、入る前の奥行き全然わからなかったし」
「足元気をつけなよ」
「わかってるって!!」
秋菜が平然と言いながら足を滑らせた
「だから言ったのに...」
「へへ...ごめん、でも、どこまでいくの?」
「後少ししたら現場に着くよ」
現場に着く頃には懐中電灯が必要なほどの暗さとなり足場は滑っていた
「ここがハルと秋斗君がいた場所ね」
「うん」「はい」
「それで、ここから先に歩いていった場所に千夏がいたと」
「そう、ちょうどあそこ...ん?」
千夏が指を刺すとそこに人影が見えた
「どうしたんですか千夏くん?」
「え?あ...なんでも」
もう一度目線を戻すとそこには誰もいなかった
「ハルちゃん何か思い出せそう?」
「すみません、何も...」
「まぁ、そう簡単に思い出せないか」
「ひとまず千夏の場所にいきましょ」
「ああ」
少しの距離なのだが奥に進むと滑りの粘土が強く思うように歩けなかった
当時はそこまでなかったなはずと首を傾げた
「二つの跡があるからここね」
「それにしても周り暗いね夜と変わらないよ」
「ここで何があったのか...ん?手帳?」
長い草が倒れている間に古びた手帳があった
それは、泥だらけで一箇所に付箋がある
そこには
「ごめんなさい、建てれなくて
ごめんなさい、捨ててしまって
ごめんなさい、ケン
ごめんなさい、テルコ 」
意味がわからない
裏のページには
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
それ以外のページは黒く塗りつぶされて読めなかった
「何、これ,,,ここにいた人の物?」
「そう考えるのが妥当だろうね」
「....これってこの場所で家を建てる予定だったのかな」
「そういうことなのかな」
「でも、このケンとテルコって...」
「捨ててごめんってあの不法投棄のことだろうね」
「ああ、何かがあって捨てざるおえなかったのかもな」
「....ん〜昔にここらへんで何かの店が開くとかなんとかってうちの親が言ってた気がする!!でも、もうその話とか場所がわからないんだよねぇ」
「まさか...この場所が?」
「でも合ってるわ、祖父からこのあたりで一家心中をした家族がいるって家族リモートで話てたと思うわ」
「それじゃあこの怪異はこの家族の...」
話ている最中に5人の周りがざわつき始めどこからか足音が聞こえてくる
それは、機械な音と共に鳴って不協和音となって聞こえてくる
「なんだあの形は....」
遠くの方で不協和音を響かせながら近づいてくる何かがいるそれは徐々に黒いシルエットが明るみに出て形が明らかになる
膨らんだ皮膚、体に埋め込まれた家具らしい物、ボトボトと何かが落ちている液体、そして顔が3つ横に連なり繋がっている姿はなんとも言えない化け物になっていた
「....お前らが...す..捨てたのか...あ..あの家具を....」
「え..えぇ...あ..」
お前らがあああああああああああああああ!!!!!
急に怒り出しこちらの方に走り出してきた
その体格に似合わない速度で
「う、うわああああ!!!!!!」
近づいてくる化け物に怯え逃げるが地面が滑っており思うように走れない
そのせいで化け物との距離が縮まることがなかったその時、ハルが転けてしまった
「ハル!!」
咄嗟に秋斗が駆け寄る
「大丈夫?」
「う、うん」
すると目の前には、あの化け物がいた
目の前にするとその体格がよくわかる約2m近くある高さで顔が3つ、
左が女性、中央に男性、右には子供の顔があったどれも苦しそうな表情を浮かべていた
ガシャン!!
「おい!!早く起きろ!!」
持っていた懐中電灯を投げ化け物に当てたその隙に秋斗達は体勢を整えて千夏の方へ向かったその時、手帳が落ちてしまった
「ありがとう!!」
「礼は後にしとけ!!行くぞ!」
一心不乱に山を抜けることを考え走ってやっとの思いで抜けた
息が上がり汗は服にへばりつき足と手が震えている
後ろを振り向くとあの怪物はいなかった
「はぁ...はぁ....はぁ...追ってきてないな...」
「みんないるな...」
「うん...いるよ..はぁ..はぁ」
「あれがあの化け物がこの怪異なのか...な」
「どう見てもそうしょ!!」
「そうですね...あの手帳にあった人物らしき顔があったので」
「あの手帳は?」
「...多分..あの山の中に...」
「あぁ〜証拠として警察に届けたかったのに...」
すると後方からパトカーが数台通ってきた
「君たち!!この場所で何してるの!!」
「もう20時だよ!!家に帰りなさい!」
「あの!この山で化け物がいたんです!!」
「化け物?!クマと間違えてるないか?」
「違うんです!この山で一家心中した人です!!」
「その事件なら解決したよ?」
「え.....」
5人とも息を呑んだ
「...その事件ならこの場所じゃなくて隣町の方だよ」
「あれは確か...ストーブの消し忘れだったと思うよ」
「.........そうですか...」
「もう遅いし、クマが出たなら送るよ、ほら乗って」
「...はい」
車の中は静寂に包まれていた
当然だ、手帳と化け物の内容は一致していた
なのに事件の現場はこの地ではなかった
では、あの化け物は一体 ”誰なんだ”.....
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