弐章 ゴミの宝山(後編)


「話すとなるとあの山のことも話さないといけませんな」

「山ですか?」

「あの山は(ゴミの宝山)と呼ばれているんです」

「....ゴミの...宝山」

「最初にその山に入ると様々なものが不法投棄されてたゴミは冷蔵庫だったりテスト用紙だったりと幅広いくて何度か不法投棄対策を練ったり除末をしんですけど、しばらくするとまたゴミが捨てられているんです」

「奇妙なことに捨てられている物が前回と同じ物だったり当時では最新の物も拾ててあることがあって最初は村の人達は恐れ気味が悪いと感じていたんですけど時々こぞってその山に入り物を持ち去っていく輩が出たんです」

「ですが、持ち去った者は不運な事故に見舞われてそのことが噂となり聞きつけた村人達は山の祟りと恐れその後はその山のゴミを持ち帰ることを頑なに禁止にしたが、時々若者がその山の中に入り物を持ち帰り数日後に学校で飛び降り自殺をしたという40年前に事件が起きました」

「最近では、小供が近づがないようにそのあたりに案山子かかしだったり柵が引かれてるんですけど、過去にに小供3人が入ってその後全員行方不明となった未解決事件が最近新聞や記事にされました」

「その事件知ってる!この前やってた!!」

「そうなんです、あの事件はあそこで起きましたのでくれぐれも近づきすぎないように」


話が終わると強い眼差しで訴えてきた


「は、はい!!」

「もう外は暗いので私が皆さんのご自宅まで送ります」

「ありがとうございます」


こうして各自宅まで送られた

玄関を開けると食卓の準備をしている音色が聞こえてきた


「もう晩御飯か、そういや昼から何も食べてなかったな」


その瞬間にお腹の怪物が鳴き食欲が急に沸いてきた

すると、祖父が居間から出てきた


「おぉ千夏か、何玄関でボッサっとしとる飯食べんか」

「あ...じいちゃん!あの山で起きた事件のこと知ってる?」

「お〜あぁゴミ山の話か、知っとるよぉ〜」


すると居間ではなく書斎の方向に移動しその後ろについていった


「あの山にある話は一人ひとり違う話で噛み合わないのだそうだ」

「どういうこと?」

「それはな、人によって見ている物が違ったり、その者が昔持っていた物だったり欲しかった物があの山に捨ててあるらしいのじゃ」

「不気味なのがここからでな、山に拾てある”物”は人も”モノ”として入っていると言われてな山の中で人の「手」やどこかの「部位」を見つけた人がいるからの」

「人の...手...」

「ある一部の所でそれは、過去に死んでいったのか、自分自身がこれから起きることへの暗示という噂があるんよ」

「......」

「まぁもうこの話はわしが子供の頃に大人が怖がらすためのものらしいから間に受けんでもええでな」

「う、うん...」


後ろの方から母親からの晩御飯のアラームが聞こえてきた


「そろそろ飯か...いくかのぅ」

「そうだね」

「あぁ後、結構前やけどあそこ付近で工事した跡があるから気をつけぃ」

「...それって何が...」

「コラー!!二人してそこで何してるの!!早く食べるわよ!!」


母親の雷が書斎に響き渡り強制的に終了した


次の日、神社で合流する事になり向かった


「よ!」

「集まったね、じゃああの山に向かうか」

「え、警察の人が行かないでって言ってましたよね...」

「だけど、ハルの記憶があそこで何か思い出せるかもしれないし、しかもあの山には何かあるかもしれない」

「どういうこと?千夏」


そういうと、昨日に祖父に聞いたことを話した


「なるほどね...昔にそんなことがあったのね」

「確かに、あの不法投棄の物の中に目新しいのがあって気になったんだよね」

「それに、人の...」

「まぁその話は本当かわからないけど、行くか」


ハルは4人のことを心配そうに見つめながらゴミの宝山に向かった

そこにはある違和感があった


「ね..ねぇ...不法投棄されていた物がないよ!!」

「え!ほんとだ...役所の人か警察の人が片付けたのかな」

「...先に進もう...」


少し戸惑いながらも山の中に入っていった

まだ昼前というのに木々の密度が多く入射光は奥に進むにつれ薄くなっていく


「この山本当に暗いね、入る前の奥行き全然わからなかったし」

「足元気をつけなよ」

「わかってるって!!」


秋菜が平然と言いながら足を滑らせた


「だから言ったのに...」

「へへ...ごめん、でも、どこまでいくの?」

「後少ししたら現場に着くよ」


現場に着く頃には懐中電灯が必要なほどの暗さとなり足場は滑っていた



「ここがハルと秋斗君がいた場所ね」

「うん」「はい」

「それで、ここから先に歩いていった場所に千夏がいたと」

「そう、ちょうどあそこ...ん?」


千夏が指を刺すとそこに人影が見えた


「どうしんですか千夏くん?」

「え?あ...なんでも」


もう一度目線を戻すとそこには誰もいなかった


「ハルちゃん何か思い出せそう?」

「すみません、何も...」

「まぁ、そう簡単に思い出せないか」

「ひとまず千夏の場所にいきましょ」

「ああ」


少しの距離なのだが奥に進むと滑りの粘土が強く思うように歩けなかった

当時はそこまでなかったなはずと首を傾げた


「二つの跡があるからここね」

「それにしても周り暗いね夜と変わらないよ」

「ここで何があったのか...ん?手帳?」


長い草が倒れている間に古びた手帳があった

それは、泥だらけで一箇所に付箋がある

そこには


「ごめんなさい、建てれなくて

 ごめんなさい、捨ててしまって

 ごめんなさい、ケン

 ごめんなさい、テルコ 」


意味がわからない

裏のページには


ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい


それ以外のページは黒く塗りつぶされて読めなかった


「何、これ,,,ここにいた人の物?」

「そう考えるのが妥当だろうね」

「....これってこの場所で家を建てる予定だったのかな」

「そういうことなのかな」

「でも、このケンとテルコって...」

「捨ててごめんってあの不法投棄のことだろうね」

「ああ、何かがあって捨てざるおえなかったのかもな」

「....ん〜昔にここらへんで何かの店が開くとかなんとかってうちの親が言ってた気がする!!でも、もうその話とか場所がわからないんだよねぇ」

「まさか...この場所が?」

「でも合ってるわ、祖父からこのあたりで一家心中をした家族がいるって家族リモートで話てたと思うわ」

「それじゃあこの怪異はこの家族の...」


話ている最中に5人の周りがざわつき始めどこからか足音が聞こえてくる

それは、機械な音と共に鳴って不協和音となって聞こえてくる


「なんだあの形は....」


遠くの方で不協和音を響かせながら近づいてくる何かがいるそれは徐々に黒いシルエットが明るみに出て形が明らかになる

膨らんだ皮膚、体に埋め込まれた家具らしい物、ボトボトと何かが落ちている液体、そして顔が3つ横に連なり繋がっている姿はなんとも言えない化け物になっていた


「....お前らが...す..捨てたのか...あ..あの家具を....」

「え..えぇ...あ..」


お前らがあああああああああああああああ!!!!!


急に怒り出しこちらの方に走り出してきた

その体格に似合わない速度で


「う、うわああああ!!!!!!」


近づいてくる化け物に怯え逃げるが地面が滑っており思うように走れない

そのせいで化け物との距離が縮まることがなかったその時、ハルが転けてしまった


「ハル!!」


咄嗟に秋斗が駆け寄る


「大丈夫?」

「う、うん」


すると目の前には、あの化け物がいた

目の前にするとその体格がよくわかる約2m近くある高さで顔が3つ、

左が女性、中央に男性、右には子供の顔があったどれも苦しそうな表情を浮かべていた


ガシャン!!

「おい!!早く起きろ!!」


持っていた懐中電灯を投げ化け物に当てたその隙に秋斗達は体勢を整えて千夏の方へ向かったその時、手帳が落ちてしまった


「ありがとう!!」

「礼は後にしとけ!!行くぞ!」


一心不乱に山を抜けることを考え走ってやっとの思いで抜けた

息が上がり汗は服にへばりつき足と手が震えている

後ろを振り向くとあの怪物はいなかった


「はぁ...はぁ....はぁ...追ってきてないな...」

「みんないるな...」

「うん...いるよ..はぁ..はぁ」


「あれがあの化け物がこの怪異なのか...な」

「どう見てもそうしょ!!」

「そうですね...あの手帳にあった人物らしき顔があったので」

「あの手帳は?」

「...多分..あの山の中に...」

「あぁ〜証拠として警察に届けたかったのに...」


すると後方からパトカーが数台通ってきた


「君たち!!この場所で何してるの!!」

「もう20時だよ!!家に帰りなさい!」

「あの!この山で化け物がいたんです!!」

「化け物?!クマと間違えてるないか?」

「違うんです!この山で一家心中した人です!!」

「その事件なら解決したよ?」

「え.....」


5人とも息を呑んだ


「...その事件ならこの場所じゃなくて隣町の方だよ」

「あれは確か...ストーブの消し忘れだったと思うよ」

「.........そうですか...」

「もう遅いし、クマが出たなら送るよ、ほら乗って」

「...はい」


車の中は静寂に包まれていた

当然だ、手帳と化け物の内容は一致していた

なのに事件の現場はこの地ではなかった



では、あの化け物は一体 ”誰なんだ”.....






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「幽霊巫女と怪異の謎」 ぽんとろろ @masamasa0913

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