参章 異形の墓①
前回の、一連の出来事から気がづけば三日経っていた。
あの日、警察の人に事情を軽く説明したが返答は軽くあしらわれてた。
その後に各自の家に送られ親にはこっぴどく叱られたがあの出来事の方が大きく精神的にも肉体的にも疲れて何も反応できなかった。
あの怪物が脳裏に浮かび上がり悪夢で
三日間、他の3人と連絡も返信もないので心配になっていた時、
母親の声が聞こえてきた。
「これから、
夏の盆の時期になると、先人の人たちのための弔いが行われ先祖や戦時中に亡くなった人へご祈祷や敬意を向ける儀式がある
家蔵と祖先の墓地で礼拝して親が近所の人と会話していて暇をしていた時、墓地の周りを散策していた
見ていくと3/1が手入れされていない放置状態となった墓や端の奥の方には
少し気味が悪くなり立ち去った
お墓の通り道の先には大きな石碑が置いてあるのが見えた石碑には
先祖の墓を見ると先祖の名前が刻まれているとぶらぶらしていると
遠くの方で服装が違う人影が見えたがそれは夏だというのに着物を着た女の子だった。
その姿は、前回の神社で見た少女の姿と似ていた
その瞬間、体が先に動きあの少女なのか確かめたい感情が湧き上がり走り出した
少女がいた場所へ駆けて行くとあの子は消えていた
と思った矢先、違う方向に少女は現れたと同時に少女が向かう方向を先回りし足を止めた時にはまた少女の姿は消えていた
「あの子は、何者なんだよ…ん?」
運動不足が祟り息切れをしながら小さく小言を漏らし後ろを振り向くと大きな枯れた大木が
その大木は普通の木とは尋常ではない姿をしていた
「なんだ…この木は…
「おやおや、こんな場所で何をしているんだい?」
「!?」
後ろから優しい声で誰かが語りかけてきた
振り返るとそこには若い男性が笑みを浮かべながらこちらを見ていた
「…あなたは誰ですか?」
「あぁ、私はここの住職をしている者です。
改めて見ると住職の服装を着ているが…
「...若すぎると思いましたね」
「……」
また、笑みを浮かべながら語り出した
「私の家系は何故か50を過ぎると不可解な事が起きるんです
私の父…先代もそうでした、私が10代の頃に亡くなりそこから私はここの住職になりました」
「...そうなんですね」
「さて、立ち話はここまでにしておきましょう、皆さんがいる所まで案内します」
「あの、この木はどうしてこんな曲がっているんですか?」
帰ろうと振り向く寸前で停止しまたこちらを見つめてきた
「……」
「…私もこの木がこのような姿になったのは分かりません
ですが、代々伝えられてきたのは元々はごく普通の木だったらしいのですが、ご両親から戦時のお話は聞きましたか?」
「はい」
「戦時中の劣悪な環境で活動していた人達の怨念が強すぎるあまりに現世にまで干渉し環境を歪ませこのような形にしたと言われています。
元より
「......桜の木だったんだ…」
「それはそうと何故君はこの場所に?」
「ある少女を探していて」
「着物を着た小さ…」
容姿を伝えようとした時、住職の真の表情に笑みが消えた
「着物を着た少女と会ったんですか?」
「は、はい」
さっきまでの穏やかな笑みが無くなり、淡々とした声で語りかけてきたので、言葉が出てこなく詰まってしまった
「いつ、どこで、何かされましたか?」
真の勢いに飲まれこれまで起きた事を話した
「…そのようなことが……」
真は腕を組みながら深く考えしばらくしたら
真の表情は、ついさっきまでの笑みを浮かべながら
「……一旦このお話はここで終わりにして
ご家族も心配されているでしょうから戻りましょうか」
「は、はい」
家族の元へ帰ると母に怒鳴られ頭に重い拳がのしかかった
拳の痛みもあったがついさっきの住職のあの表情が脳裏に焼き付き何故
あのような表情をしたのか考えているとまたあの住職がやってきた
「あまりお子様を責めないでやってください、この場所はよく迷われる方がいらっしゃるので」
とフォローをしてくれた
「…少し、お子様をお借りしても?」
「どうぞ、どうぞ、説法なり説いてやってくださいな」
住職に押し売りする母親を尻目に住職の方に駆け寄った
「この祭事が終わったら他の皆さんと一緒にお寺に来てください」
「…分かりました」
住職は、また笑みを浮かべ墓地にいる人に呼びかけた
「では!!これより桜霊祭を執り行います!!」
そして、この地の眠る人々への「
皆、地面に座り合唱をし念仏を唱え始めた…
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