中学

熟成されたリビドーは、時に媒介者を殺す。当方、目が大きくギョロついていてすぐに視線がバレる。水泳であっても国語であってもなくても、リビドーに支配されし傀儡には学校生活自体がお遍路以上の苦行にしか感じられなかった。中学生男子の悶々眼にはオートフォーカス機能が搭載されており、それが淫靡な誘いかどうかに関わらずとりあえずそれらしいものに視線が向いてしまうものである。やれ、こっちを見ているだの何か変なことを考えているだの、女子というのは自意識に自意識が生えているような生き物だ。これに人生を複数の意味合いで狂わされた当方としては、竹藪の横を通り過ぎる際に背中に張り付いた黄金虫のように、今も脳裏を過る。

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