第一話

僕は何度奇跡を待ったのでしょう




君を守れるほど強くなんてなかった




君がもう一度僕のそばにいて、笑っている姿を何度も思い浮かべて




何度奇跡を待ったのでしょう




君がいなくなってから僕は




どこを歩いても、どこにいっても、君の姿を探してしまう




あの時感じた君のぬくもりも、君の香りも…



僕は君に問いかける




もういいかい?






「もういいよ」






その言葉はいくら待っても来なかった




急いで後ろを振り返っても、見えたのは




僕と君の間を吹き抜けるはずだった、風の余韻だけ



ねえ、もういいかい

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ねえ、どこにいるの... 有罪判決チャマ @pfirsich_guilty

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