情で包んで欲しい。

 もし、俺に友が居なかったら。友が居ない様な人間が友を作るといえど、友はみな、俺からはなれ、悲しき眼で俺を眺める。友よ、俺と語れ、俺を笑へ。友はむなしく顏をそむける。構ってくれるだけでいい。

 授業中の俺の一笑も、クラスメイトにとつては、ただごとでないだろう。人間と話すことが珍しいから。人間と話せないのは遠慮からか、引け目からか、。

 文頭に「もし、」と書いているので、俺には友がいる。一つ上の友。この友とは、一つ歳が違うけれど、それでも、へだてない友である。2人、雨を煙る沖をじっくりと眺めていたい。このように思えれば、友という存在は儚く、希少な存在であると言える。

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