第2話 記憶って不思議だと思いません?
私は書かれた事柄はかなり、どうでもいいことまで、本当にどうでもいい超些細なトリビアまで、覚えている方なのですが、人の顔や名前はさっぱり覚えられません。
正確に言うと、人の名前と顔を結びつけるのが苦手です。
興味がないからだって、母に言われてきましたが、たぶん、最近の研究でわかってきた「フェイスブラインド」のマイルドなやつなんだと今は思ってます。
上司の名前や顔が見分けられず、なんとなく乗り切ったことなんてよくありました。最近では、勤務先の事務長さんに声をかけられ、学校の先生と間違えて受け答えを・・・。途中から気が付いて謝ったけど。バイト先で面接関してくれた、つい数日前にしゃべった事務長がわからずに失礼したこともありましたっけ。
出張先の会議で仲良くなった同僚に対して、後で地元で会ってわからなくて失礼してしまったときは、とっても反省しました。いや、反省しても、無理なことは無理ですが(笑)。偉人の名前とか名前そのものは覚えられるのですけどねぇ。
だから、私は初対面の人と話すのは得意です。
だって、知らない人と話せなかったら、付き合いの長い人としか話せなくなりますから。
おかげで、物怖じせずに会話する習慣がつきました。適当にあいづちを打っておいて、後で知り合いかどうか判断するこも、実はあります。多分、気づかれてないことの方が多いと思いますが。
子どもの頃、「いつもニコニコしてる」とか「落ち着いてる」とか、言われることありましたが、実は、多くの場合、笑顔は当惑隠しの仮面でした。
別に「いい子ぶりっこ」じゃなかったんです。
まあ、付き合いがある程度長くなると見分けられます。というか、声や仕草も加味して判断するので、間違わなくなります。もちろん、家族はわかりますよ。
顔の見分けがつかなければ、声や仕草があるじゃん!ってことです。
ちなみに、服は全然記憶に残りません。
昔、家族と一緒に行った天神の焼き肉屋で、男の人の大きなコートと自分のコートを間違ってきて帰ったことがあります。色が黒かった以外全然似てなかったのに。
後で気が付いて、謝罪の電話をしてコートを返しに行きました。お詫びの品を持って行ったかは思えてません。靴も同じようなことしたことあったなあ(遠い目・・・)
ただの注意力散漫+ド近眼のせいかもしれませんが。
食べ物に関しては、母に言わせるとほぼ完ぺきな記憶力をしています。いつ、どこで食べたか、一緒にいた人がどうコメントしたかまで覚えているのに。
なので、キャラクターの服はネットでチェックしたり、そういう本やカタログを見たりして描写してます。
流行りとかもよくわからないので、TPO無視した服で、若い頃は、怒られたことも。
あ、でも、服装でも、本で読んだことは、やっぱり文字として記憶してます。
人の名前が覚えられないのは、母の言う通り、興味の問題もあるのかも。
だって、覚えられないもの、識別しにくいものには、あまり興味が持てないですよね?
昆虫はもちろん、動物や鳥の名前や声を覚えるのは好きです。名前を付けることで、認識できているって、自分で安心したい、みたいな感じがあるのかも。
幼稚園の頃のいじめっ子たちの名前は今でも覚えています。
K君、Mちゃん、Cちゃん。
K君なんて、今でもフルネームで言えます。
あの頃、私はシャイで何も言えない子で、おまけに、動作がのろく、弁当を食べ終わるのは一番最後。好き嫌いも多くて、とっても小さな花形に切った人参なんかの野菜を一生懸命、教室で一人食べてたのを覚えています。
典型的ないじめられっ子でしたね、思い返せば。
妙に頑固で、やりだしたら止められないところは、今も、変わってないか(笑)
今では、超早食いで、病気一つしません。必要なら、大勢の前でもきちんと話しますよ。雑談やゴシップはあまり得意ではないけど。
でも、いじめられたことは、覚えてます。
よく、人に砂をかけてシカトしてくれたな、なんて。
今更、別に、復讐とか嫌がらせとかしたいわけじゃないんですが。
本当ですよ。
ただ覚えてるんですよね。名前を。顔も覚えてないのに。
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