第3話

 気が付いたらこの星は、メチャクチャになっていた――

 じょうほう屋さんの話では、突然、電磁パルスEMPが世界を取り囲み、わたし達の記憶メモリは深刻なダメージを負ったとか。それと一緒に、が作った秩序が崩壊。天候も何もかもが中途半端にリセットされ――


 さて、ここはどこなんでしょうか?


 立ちはだかる扉を破壊すると、広い空間が現れました。

 この空間は、どれだけ放置されていたのか計り知れません。

 ずいぶんと忘れ去られ、ようやく進入出来たのはわたし達だけなんでしょうか? 並ぶコンソールには土まで被り、ずいぶんの間、水に浸かっていたような雰囲気です。


 そして、その中央には、巨大なガラス管のようなものが太いものが1本。それを中心に四方を細いガラス管が囲んでいます。

 それが定期的の鼓動を打って点滅していました。


「これが――神さま?」

「ミヤ様を、助けてもらえそうか?」


 そう背中から聞こえてきましたが、彼女になんと言っていいのか――

 何かあったために、このコントロールルームは水没。そして、わたし達がやって来る頃に水は引いて、この瞬間まで辛うじて起動していたようですが――エネルギー源はどうなっていることやら。そもそも神さまも水が浸かり機能停止していないかしら――


「ミコ、どうなんだよ」

「……」


 これが神さまであるのなら、瀕死といったところでしょうか。

 意思を疎通するためのコンソールは、泥水に浸かり、使いようがなさそうです――といっても、わたしの知識ではどこのボタンを押せばいいのか、使い方が分かりません。


「ごめんね。付き合わせちゃって――」

「なんだよ。ここまで来て動かないのか!?」

 と、ミヤちゃんは残った左腕を振り回し始めた。


「ちょっと!?」


 あまりにもぶんぶん振り回すものだから、わたしは転げそうになる。

 わたしがバランスを崩して、後ろ向きだったミヤちゃんが、神さまのほうを向くと、

「こんなもの叩けば直る! ミヤ様スペシャルだ!」

 と、残った左腕でコンソールを思いっきり叩いたのです。


 その途端でした。まさか、そんなことで動き出すとは!?

 神さまと思っていたガラス管の光が、眩しくなってくるではありませんか!?


『オレを呼ぶのは何者だ!』

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