第4章58話:食堂

テュカベリルを連れて、アイリーンの街を歩く。


とりあえず商会オフィスへ移動した。


オフィスの中に入る。


護衛の二人を、医務室のベッドに寝かせた。


それから、テュカベリルとともに、オフィスの1階の食堂へ移動する。


食堂は広い空間に、長い木製もくせいテーブルが縦5列x横2列、配置されている。


俺は肩越かたごしにかえって、テュカベリルに告げた。


「すぐに料理を作るから、適当に掛けていてくれ」


「わかった」


「暴れるなよ」


「わかっておるわい。しかし、まずいメシを出されたら、その限りではないぞ」


「ああ。……ちなみに魚料理は嫌いじゃないか?」


「うむ。嫌いではないぞ」


「了解。じゃあ魚料理を作ることにするよ」


そう告げてから俺はキッチンへ移動する。


掃除をしていた女性が二人いた。


どうやら、この商会のシェフを担当している料理人たちのようだ。


俺が料理をすることを告げると、女性たちは目を輝かせた。


「え!? ラング様が料理をお作りになるんですか!?」


「ああ。だから、できれば調理場ちょうりばを借りたいんだが」


是非ぜひ使ってください! あの! 私、実はラング様のファンなんです!」


「え……ファン?」


「はい! 唐揚げパンもシャーベットも、ルナトリアの料理も全部食べました! あんなレシピを一人で考えたなんて、すごいです! 尊敬します!」


「あはは。ありがとう」


「あの! ラング様が料理をしてるところ、見学してもいいですか!?」


「ん……まあ、構わないが」


と俺は答える。


女性たちは歓喜した。


「やったぁ! あのラング様の調理を間近まぢかで見られるなんて!」


「こんな機会は二度とないわよ! しっかり学んでいかなきゃ!」


と女性たちは意気込いきごむ。


俺は苦笑しながら、個室に入って料理服に着替える。

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