第3章34話:人気急増

<ラング視点>


全員で手分けして、唐揚げパンの販売に努める。


このとき商品名しょうひんめいを【ルナトリアの唐揚げパン】と定めた。


ルナトリアの名前を商品名に入れておくことで、店の知名度ちめいどアップを狙う。


そして、


冒険者ギルド。


アイテム屋。


雑貨屋。


……などなど、複数の店に、唐揚げパンを置いてもらった。


試食販売や宣伝なども並行しておこない、まずは唐揚げパンの存在を知ってもらう。


そこに付随させるように【ルナトリア】の名前も広めていった。







最初の数日は、なかなか効果が現れなかった。


しかしジワジワと人気が拡大していき……


唐揚げパンを通して、ルナトリアへの客足きゃくあしが増えた。


そして二週間を越えたあたりで。


来客が爆発的に増加した。


どうやら唐揚げパンがバズりはじめたようである。


すると唐揚げパンを作っているレストラン・ルナトリアにも注目が集まり、店に訪れる客が激増した。


おかげで開店から20日目。


満席御礼まんせきおんれいである。


「兄さん、注文です! 焼き魚定食1つ、焼き魚1つ!」


「おう!」


「注文だよー! 唐揚げ1、魚介スープ1、サラダ2だよ!」


「了解! 誰か、倉庫から野菜を持てるだけ持ってきてくれ!」


「3番テーブルのお客さん、お会計入ります!」


「へい! シャロン頼む!」


「あー、いまちょっと手が離せないよー!!」


忙しい。


忙しいなんてものじゃない。


絶えず動きっぱなしだ。


客がいなさすぎて不安になっていた半月前はんつきまえとは大違おおちがい。


満席で、注文は殺到さっとうしているし……


少しずつであるが、店の前に行列すら出来てきている。


(まあ、嬉しい悲鳴ってやつだな)


忙しくて大変だけど、閑古鳥かんこどりが鳴くよりはずっと良い。


だってみんな、うちの料理を楽しみに来てくれてるんだ。


腕が鳴るぜ!


やる気をみなぎらせて、俺は料理に打ち込んだ。






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