第2章15話:開店準備

――――それから半月後。


引き続き、開店のための準備をおこなう。


この半月のあいだにたくさんのことをおこなった。


家具や食器などを買いそろえたり……


食材の仕入れのために卸商人おろししょうにんたちと契約したり……


調理のための包丁を鍛冶屋かじやに依頼したり……


俺もキルティナもやる気に満ちあふれていたので。


トントン拍子びょうし開店準備かいてんじゅんびが進んでいく。


そして。


さらに2日が経つ。


キルティナは言った。


「従業員を募集しなくちゃいけませんわね」


ふむ。


そうだな。


俺とキルティナだけで店を切り盛りできない。


オープンスタッフを集めることが必要だろう。


店内従業員ホールスタッフだけでなく、厨房料理人キッチンスタッフも欲しい。


料理をするのが俺一人というのは、いくらなんでも大変すぎるからな。


「明日にでも、アイリーンの下層と中層の広場に、求人の張り紙を出しておきたいところですわね」


「じゃあ、俺がやっておくよ」


「いいんですの?」


「ああ」


俺は店長だが……


キルティナは店のオーナーであり、商会のトップである。


俺よりもはるかに忙しく、さまざまな業務をこなしている。


少しは負担を減らしてやらないとな。


「じゃあ、お願いいたしますわ」


「任せとけ」


俺はそう返事をした。


キルティナが店を出て行く。


俺は、一人、店内ホールのテーブル椅子に座って、さっそく作業を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る